企業動向

アセンテックとclosip、機密情報向けオンプレミスAI「SapiaBox」提供開始 クラウドの課題解決へ


アセンテック株式会社と株式会社closipは、機密情報を扱う組織向けに、オンプレミス環境で動作するAIソリューション「SapiaBox」の提供を2026年4月22日より開始しました。これにより、クラウド利用時のセキュリティリスク、応答遅延、運用コスト増大といった主要な課題解決を目指します。

クラウドAIの課題解決へ

近年、生成AIの活用はあらゆる業種で急速に拡大しています。しかし、その一方で、クラウド上での生成AI運用には、個人情報や機密情報の取り扱いにおけるセキュリティリスク、インターネット経由による応答遅延、従量課金による運用コストの増大という3つの主要な課題が指摘されていました。特に医療機関、行政機関、金融機関、士業事務所など、機密情報を扱う組織においては、これらの課題がAI活用を妨げる要因となっていました。

「SapiaBox」とは

「SapiaBox」は、これらの生成AIが抱える課題を解決するため、closipが開発したオンプレミス型のAIソリューションです。特定のハードウェアに依存しない柔軟な設計が特徴で、顧客の業務課題をヒアリングした上で、最適なLLM(大規模言語モデル)の選定から業務アプリケーションの開発、そしてオンプレミス環境への導入までを一貫して提供するサービスです。
クラウドへデータを一切送信しない閉域完結型の構成により、情報漏洩リスクを限りなくゼロに抑え、利用人数が増加しても追加課金が発生しないコスト構造を実現するとしています。

導入から運用までのプロセス

SapiaBoxは、以下の5つのステップを経て顧客環境に導入されます。

  • ヒアリング(要件定義): 業務課題を把握し、最適なハードウェアおよびLLMモデルを選定します。
  • アプリケーション開発・環境構築: ヒアリング結果に基づき、業務に最適化されたAIアプリケーションを開発し、オンプレミス環境を構築します。
  • 導入設定: ネットワーク環境に合わせた接続設定およびセキュリティ設定を行い、利用可能な状態で納品されます。
  • 研修(AIアプリ内製化研修)※オプション: 顧客自身がAIアプリケーションを開発・改良できるよう、実践的な研修が実施されます。
  • 運用開始: 本格的な運用が開始されます。

このうち、ソフトウェア面のサービスをclosipが、ハードウェアの調達・保守およびサポート窓口をアセンテックが担当します。

提携の背景と意義

アセンテックとclosipは、これまでもVPN不要の閉域網構築技術「LTE over IP」を活用した安全なリモートアクセスサービス「Resalio Connect」を共同で提供するなど、信頼関係を築いてきました。今回のAIソリューション分野での提携は、その既存の関係を基盤としたものです。
生成AIソリューションの品質は、AIモデル選定やアプリケーション開発といったソフトウェアと、安定稼働するオンプレミス基盤というハードウェアの両方が揃って初めて担保されると両社は説明しています。アセンテックが自社でオンプレミスAI基盤「Edge AI Array」を有し、約20年以上にわたりセキュリティソリューションを提供してきた実績が、今回の提携を可能にしたとしています。

利用規模に応じたハードウェアラインナップ

SapiaBoxでは、顧客の利用規模に応じて最適なハードウェアを選択できます。いずれの製品も、アセンテックが一貫して調達から保守までを提供します。

中小規模・PoC向け

部門単位でのAI活用やプロトタイプ検証に最適なコンパクトな筐体として、「NVIDIA DGX Spark」および同等製品が提供されます。
NVIDIA DGX Sparkおよび同等製品
SapiaBoxの詳細については、アセンテックのウェブサイトで確認できます。

大規模・マルチユーザー向け

大規模なLLMやバーチャルヒューマン、様々なAIアプリケーションに対応するオンプレミスAIプラットフォームとして、アセンテックオリジナルの「Edge AI Array」が用意されています。2U筐体にNVIDIA製AI向けGPUを最大5基搭載できるとしています。

Edge AI Arrayの詳細については、アセンテックのウェブサイトで確認できます。

「SapiaBox」が提供する価値

SapiaBoxは、主に以下の二つの価値を提供します。

最適なLLMの選定とカスタムアプリケーション

顧客の業務課題に応じて最適なLLMモデルを選定し、RAG(検索拡張生成)やOCRなどの要素技術を組み合わせたカスタムアプリケーションを開発・実装します。汎用的なチャットツールの導入ではなく、顧客の業務にフィットするAIアプリを提供することで、導入直後から実務で効果を発揮できる環境を実現するとしています。

AIアプリケーション内製化支援(開発研修)

オプションとして、顧客自身がAIアプリケーションを開発・改良できるようになるための実践的な研修プログラムが提供されます。外部ベンダーへの開発委託のみに依存する体制では、現場で変化する業務課題への対応にタイムラグが生じ、AI投資の効果が限定的になりがちです。AIアプリの内製化により、現場の課題をリアルタイムでアプリケーションに反映できるようになり、AI活用の定着率と投資対効果の大幅な向上が期待できるとしています。研修では、実際のSapiaBox環境を使用した実践形式で、基礎から応用までを体系的に習得できるとのことです。

closip 代表取締役 池田 武弘氏のコメント

closipの代表取締役である池田 武弘氏は、「生成AIを導入したいが、何から始めればいいか分からない」という多くの企業・組織が直面する課題に言及しました。同氏は、closipが「技術とサービスの溝を埋める」ことを信条に、顧客が本当に必要とするAIソリューションを安全かつ確実に届けることを目指していると述べています。「SapiaBoxは単なるAIサーバーではなく、顧客の業務を理解し、最適なAIアプリケーションを設計・開発し、さらに顧客自身がAIを使いこなせるようになるまで伴走するソリューションだ」としています。
また、自社でオンプレミスAI基盤を有し、長年にわたりセキュリティ分野で実績を持つアセンテックとの提携について、「大変心強く思っている」とコメント。ソフトウェアとハードウェアの両面から顧客を支える体制が整ったことで、医療、行政、金融をはじめとする高い情報セキュリティが求められる分野において、安心してAI活用を進められる環境を提供していく意向を示しました。

アセンテック株式会社について

アセンテック株式会社は、「簡単、迅速、安全に!お客様のビジネスワークスタイル変革に貢献する。」を企業理念に掲げ、仮想デスクトップ関連製品の開発、販売、コンサルティングサービスを主な事業としています。サイバーセキュリティ対策ソリューションやクラウドサービス関連事業も展開しており、東京証券取引所スタンダード市場に上場しています(証券コード:3565)。

ソース元:
アセンテック株式会社「SapiaBox」ソリューションページ
https://www.ascentech.co.jp/solution/sapiabox/

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press プレスリリースを元に、サイバーセキュリティ関連の企業動向を配信しています。情報の正確性についてはソース元をご確認ください。



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