企業動向

Almure、秘密計算技術で2億円を調達 エンタープライズAIのセキュリティ課題解決へ


Almure株式会社は、独自の秘密計算技術を活用し、エンタープライズAIエージェントのセキュリティ準拠コストを構造的に排除する基盤開発を推進。この度、シードラウンドで総額2億円の資金調達を実施し、研究開発およびプロダクト開発を強化します。

Almure、秘密計算技術で2億円を調達 エンタープライズAIのセキュリティ課題解決へ

東京都に本社を置くAlmure株式会社は、独自開発の秘密計算技術を基盤としたエンタープライズAIエージェント向けセキュリティインフラの構築を目指し、このほどシードラウンドで総額約2億円のエクイティによる資金調達を完了しました。ジェネシア・ベンチャーズ、Dual Bridge Capital、NEX-T Tokai Innovation Fundの3社が本ラウンドに参画しており、調達資金は研究開発とプロダクト開発の強化に充てられるとしています。

企業AI導入のボトルネック「セキュリティ準拠」

現代のエンタープライズシステム開発において、AIの進化により開発期間が短縮される一方で、「セキュリティ準拠対応」が大きなボトルネックとなっています。金融、製造、医療、防衛といった各業界には独自のセキュリティ標準が存在し、これらに準拠するための煩雑なセキュリティチェックシート対応や、専門的なセキュリティエンジニアによる対策説明には膨大なコストと時間がかかっています。この課題が、企業におけるAI導入を数ヶ月から年単位で遅らせる要因となっているのが現状です。

秘密計算で「Security by Design」を実現

同社は、この構造的なセキュリティ準拠コストを排除するため、独自の「秘密計算(Confidential Computing)」技術の開発を進めています。この技術は、あらゆる高度なAI・Agent処理を、暗号鍵管理レベルの安全性で実行することを可能にするものです。「Security by Design」という設計レベルでのセキュリティを確立することで、従来の運用に依存したセキュリティ対策を刷新し、エンタープライズの機密データをAIで安全に活用する基盤の提供を目指しています。

秘密計算は、ハードウェアレベルで実行環境を隔離・暗号化することで、クラウド事業者やシステム管理者すらデータにアクセスできない状態で処理を行う技術です。これにより、これまでの「通信時」や「保管時」の暗号化に加え、「処理中」の機密データ保護を実現します。Confidential ComputingやTrusted Execution Environment (TEE)とも呼ばれ、Confidential VMやHardware Enclaveといった技術が含まれます。

Almureのアプローチは、業界のセキュリティ標準が実際に要求する仕様から逆算し、トップダウンで設計する「purpose-built」な手法を採用している点が特徴です。この独自のアプローチにより、従来の秘密計算技術では困難だった、暗号鍵管理レベルの安全性と高度なAI処理の汎用性を両立させるといいます。同社は「セキュリティ準拠に特化した秘密計算」という新しい技術的アプローチを通じて、顧客価値の創出と秘密計算市場の成熟を加速させる方針です。

Almure シードラウンド 2億円 資金調達

投資家からの期待と今後の展望

参画投資家からは、Almureの技術がAIエージェント時代の実行基盤として不可欠であるとの期待が寄せられています。

ジェネシア・ベンチャーズの曽我部崇氏は、AIが自律的に動くエージェントへと進化する中で、企業の本格導入を阻む最大の壁が「AIが生成したコードを安全に実行できる環境の不在」であると指摘。Almureが秘密計算技術を用いた独自アーキテクチャにより「機密性×応答速度」の両立を目指していることに大きな可能性を感じているとコメントしています。

Dual Bridge Capitalの残間崇氏は、スノーデン事件を契機に通信時の暗号化が普及したように、AIエージェントの登場により計算時の暗号化が求められるようになったと述べ、秘密計算領域でのAlmureの研究実績と商用導入経験を評価しています。

Prime Partnersの中西秀幸氏は、データの「保存」や「移動」の保護が進む一方で、AIが推論・実行を行う時代には「処理・計算(Data-in-Use)」時のセキュリティが信頼のラストワンマイルとして残されていると言及。Almureが次世代の秘密計算技術をビジネスへ実装可能な形へと昇華させる「標準化の旗手」となり、AIエージェント社会を支える信頼のインフラを構築することに期待を示しています。

Almureの百瀬孝紀代表取締役CEOは、先端セキュリティ技術が実務的な目的から逆算して設計されることで、その本質的な意義が顧客価値へと転換されると説明。今回の資金調達と支援をもとに、挑戦を加速させていく考えです。

同社は、今回の資金調達を基盤として、秘密計算技術の研究開発およびプロダクト開発を一層強化していく方針です。また、根源的な課題解決に挑むコアメンバーの募集も積極的に行っているとしています。

Almureの採用ページは以下の通りです。

会社概要

Almure株式会社は2026年1月に設立され、代表取締役CEOは百瀬孝紀氏です。東京都渋谷区に本社を構え、エンタープライズAI Agent向けセキュリティインフラの構築と秘密計算技術の研究開発を事業内容としています。

詳細については、同社のウェブサイトをご覧ください。

ソース

ソース: Almure株式会社 プレスリリース
URL: https://almure.io

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