企業動向

ジョーシス、AIでセキュリティ運用を自動化 アイ・エス・ビーが先行導入し2,700件超の違反を検知


ジョーシスは、アイデンティティセキュリティ基盤「Josys」の新機能であるAIによるポリシー自動実行機能を、株式会社アイ・エス・ビーが先行導入したと発表しました。導入後3カ月間で約17,000アカウントを対象に2,719件のポリシー違反を検知し、うち133件の重大リスクをAIが自動で是正したといいます。この事例は、SaaS利用拡大に伴う企業内のアイデンティティ管理の課題に対し、AIが効果的な解決策となる可能性を示しています。

「Josys」新機能、アイデンティティセキュリティを強化か

「Josys」は、企業内のあらゆる認証情報を統合管理し、AIによるセキュリティ運用の自動化を実現するアイデンティティセキュリティ基盤です。2026年6月11日には、「漏洩認証情報の検知」、「AIエージェントの管理」、「ポリシー違反の自動検知・是正」といった新機能がリリースされ、組織全体のアイデンティティ保護機能が強化されました。ここでいうアイデンティティとは、サービスにログインする際に利用するIDやパスワードを含む認証情報を指します。

企業におけるアイデンティティ管理の課題深刻化

近年、企業ではSaaSやAIツールの利用が拡大しています。これに伴い、従業員アカウントに加え、AIエージェントやサービスアカウントなど、人間以外のアイデンティティが急増しています。その結果、情報システム部門では管理対象となるIDや権限が飛躍的に増加し、「誰が、何に、どのような権限でアクセスしているのか」を正確に把握・管理することが難しくなっているのが現状です。

また、近年のランサムウェア攻撃では、VPNやネットワークの脆弱性だけでなく、漏洩した認証情報や不適切に管理されたアカウントを悪用して侵入するケースが増加傾向にあります。攻撃者側もAIを活用して攻撃を高度化・自動化しており、企業にはネットワークだけでなく、アイデンティティを起点としたセキュリティ対策がこれまで以上に求められています。

一方で、情報システム部門では日々大量のセキュリティアラートが発生し、その内容を確認するだけでも多くの工数を要しています。セキュリティ人材不足も重なり、リスクを検知できても対応まで手が回らない「アラート疲れ」が深刻化しているといいます。こうした背景から、検知だけでなく、AIによるリスク判定や優先順位付け、自動是正までを含めたアイデンティティセキュリティ運用の自動化へのニーズが高まっています。

アイ・エス・ビー先行導入、具体的な成果は

アイ・エス・ビーでは、SaaS利用の拡大に伴い、退職者アカウントの削除漏れ、特権アカウントの管理、MFA(多要素認証)未設定アカウントの把握、外部委託先アカウントの統制といった、SaaS上のアイデンティティ管理強化が課題となっていました。

そこで今回、「Josys」を通じて複数SaaSに分散するアカウント・権限情報を統合し、アクセス管理、特権管理、IDライフサイクル管理、外部ユーザー管理などの観点からポリシーを設定しました。これにより、ポリシー違反の自動検知に加え、レビュー、是正、例外承認までを含めた運用を推進しています。

運用体制としては、17アプリ・約17,000アカウントを対象に横断監視を実施し、30のポリシーを設定して3カ月間の継続監視を行いました。検知したリスクに対しては、レビュー、是正、例外承認の運用フローが整備されています。

主な成果として、3カ月間で2,719件のポリシー違反を検知・可視化し、人手での確認では見落としやすいリスクを短期間で把握し、優先順位を付けて対応できる状態を実現したといいます。具体的には、退職者アカウントの停止・削除162件、未利用アカウント673件を検知しました。退職者未削除アカウントについては、一部アプリに滞留が見られ、削除運用の責任者整理やフロー見直しを実施したとされています。さらに、MFA未設定・無効化アカウント約1,600件、外部・個人ドメインの特権アカウント16件、未利用特権アカウント54件などを検知しました。重大なリスク133件はAIが自動で是正し、業務委託者への特権アカウント付与や、長期間使われていない過剰な権限の削除、退職者のアカウント削除漏れといった重大なリスクを自動で是正したと発表しています。

株式会社アイ・エス・ビー情報システム管理部 部長の吉田昌平氏は、「JosysのAIによるポリシー自動実行機能を先行導入したことで、複数のSaaSにまたがるアイデンティティを一元管理し、ポリシー違反の検知からAIによる自動是正まで実現できました。3カ月間で2,700件を超えるポリシー違反を可視化し、133件のクリティカルなリスクをAIが自動で是正できたことは大きな成果です。AIを活用する企業が増える中、人による運用だけではなく、AIが検知・判断・是正まで担う仕組みが、これからのセキュリティ対策には不可欠だと考えています」とコメントしています。

「Josys」が実現する3つの特長

アイデンティティセキュリティ基盤「Josys」は、従業員・業務委託先のアカウントに加え、AIエージェントやサービスアカウントなど、人・AI・システムを横断して増加する認証情報を一元的に可視化し、組織全体のアイデンティティ防御を支援します。SaaS統合管理で培ったアクセスガバナンスやライセンス最適化の機能も活用し、運用負荷を抑えながらセキュリティリスクの低減と統制強化を実現するとしています。

その特長は以下の通りです。

  1. 社員・委託先・システムアカウントを含むすべてのアイデンティティを一元管理・可視化
    SaaS、デバイス、アカウント、権限を統合台帳で可視化し、誰が何にアクセスできるかをリアルタイムで把握します。漏洩した認証情報やリスクのあるアカウント、影響範囲をダッシュボード上で即座に確認可能です。

  2. 漏洩した認証情報を自動で検知
    ダークウェブなどの外部脅威を24時間365日監視し、組織の認証情報の漏洩やマルウェア感染端末をリアルタイムで検知します。統合台帳と連携することで、社員だけでなく委託先を含めた漏洩した認証情報や感染端末を即座に特定し、影響範囲を可視化します。ポリシー違反や権限変更、不審なアカウント状態を継続的にモニタリングし、AIが複数のリスク要因を分析して優先度の高いインシデントを自動判定します。

  3. AIによるポリシーの自動実行
    60パターン以上のプリセットポリシーを搭載し、ポリシーの違反を常時モニタリングします。AIがリスクを数秒で判断し、数分で対処を実行するとしています。漏洩リスクのある管理者アカウント、MFA未設定、長期放置された委託先へ付与しているアカウントなどを組み合わせて検知し、リスクを自動判定します。権限制限、MFA強制有効化、漏洩監視強化などを自動実行することで、業界平均241日とされるインシデント対応時間を数分まで短縮できるといいます。

JOSYS ポリシー管理画面

Josysに関する詳細は、公式サイトで確認できます。

ジョーシス株式会社 会社概要

  • 名称: ジョーシス株式会社

  • 所在地: 東京都港区麻布台一丁目3番1号 麻布台ヒルズ 森JPタワー 23階

  • 代表取締役CEO: 松本恭攝

  • 設立: 2022年2月

  • URL: https://josys.com

ソース元

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