RainForest、Senda Nexusにレジデンシャルプロキシ脅威インテリジェンス機能を追加
株式会社RainForestは2026年9月15日、同社が提供する脅威インテリジェンスプラットフォーム「Senda Nexus」に、「Residential Proxy Intelligence」機能を追加したと発表しました。この新機能は、インターネット上で観測されたIPアドレスからレジデンシャルプロキシ候補を評価・可視化し、Darknetや攻撃観測データと連携して攻撃行動を詳細に分析することを可能にします。サイバー攻撃インフラの多様化に対応し、セキュリティ担当者の調査・分析業務を支援するとしています。
攻撃インフラの多様化に対応
近年、サイバー攻撃のインフラは多様化しています。従来のVPSやクラウドサービスに加え、住宅向けインターネット回線やモバイルネットワーク、SOHOルーター、IoT機器などを経由して通信元を秘匿するレジデンシャルプロキシの利用が増加しています。これにより、IPアドレスやネットワーク事業者の情報だけでは、その通信が通常の利用者によるものか、攻撃インフラの一部として利用されているかを判断することが困難になっていました。
RainForestは、単純なIPレピュテーションだけでなく、「どのようなネットワークに属しているか」「どのようなサービスが外部に公開されているか」「実際にどのような攻撃活動が観測されているか」を組み合わせた分析が重要であると提唱しています。今回の「Residential Proxy Intelligence」は、この考えに基づき開発されました。
「Residential Proxy Intelligence」の主な特徴
複数の情報からレジデンシャルプロキシ候補を評価
新機能では、単一の情報だけでなく、複数のネットワーク情報や観測結果を組み合わせてレジデンシャルプロキシ候補を評価します。評価に利用される主な情報には、ASN(自律システム番号)、ISP(インターネットサービスプロバイダ)、組織、逆引きDNS、ホスティング、モバイル、プロキシ、位置情報などが含まれます。また、Webサービス、Telnet、ADB、プロキシ関連ポート、ルーター管理系サービスなどの公開状況もエビデンスとして活用し、「Access Network Likelihood」や「Residential Proxy Candidate」といったスコアで評価します。
世界的な分布を可視化
「Residential Proxy Intelligence」のダッシュボードでは、評価されたIPアドレスを地理情報と組み合わせて表示します。国・地域別、ASN・ISP別に確認できるほか、公開ポートやルーター/CPEベンダー候補、評価スコアなどを一覧で表示します。これにより、候補IPが集中する国やネットワーク、公開されているサービスといった傾向を直感的に把握することが可能です。
詳細はこちら: Senda Nexus Residential Proxy Monitor
ネットワーククラス別の攻撃行動比較
この機能では、Senda Nexusで観測されたアクセス元を「Residential」「Cloud」「Other」のネットワーククラスに分類し、それぞれの攻撃行動を比較できます。Darknetでの観測状況や、スキャンから攻撃活動への移行、Miraiに類似する活動、コマンド実行、ペイロード取得といった行動特性を確認可能です。これにより、住宅回線・アクセスネットワークからの通信とクラウド由来の攻撃との違いや、レジデンシャルプロキシ候補のIPが実際に行っている攻撃行動を分析できます。
詳細はこちら: Senda Nexus Residential Network Comparison
IPアドレスから関連インテリジェンスを統合表示
「Residential Proxy Intelligence」は、Senda Nexusの「IP Intelligence」画面とも統合されています。調査対象のIPアドレスを入力すると、ネットワーク情報、Senda Nexus観測情報、Residential / Proxy Assessment、攻撃インテリジェンス、MITRE ATT&CKなどの関連情報を一画面で確認できます。これにより、サイバー攻撃に関する包括的な情報を効率的に把握できるとしています。
詳細はこちら: Senda Nexus IP Intelligence
「IP Reputation」から「IP Intelligence」へ
従来のIPレピュテーションサービスは「このIPアドレスは悪性か」という評価が中心でした。しかし、攻撃インフラが多様化する現在では、それだけでは攻撃者の活動を深く理解することは困難です。RainForestは、IPアドレスを単純な評価値として扱うのではなく、「どのネットワークから来ているのか」「どのようなサービスが公開されているのか」「Darknetやハニーポットでどのような活動が観測されたのか」「どのような攻撃手法を使用しているのか」を組み合わせて分析する「IP Intelligence」が重要であると考えており、今回の新機能はその取り組みの一つです。
Senda Nexusが目指す脅威インテリジェンス
Senda Nexusは、Darknet、ハニーポット、インターネット観測、OSINT(オープンソースインテリジェンス)、CVE(共通脆弱性識別子)、IoC(侵害指標)など、複数の脅威情報を統合する脅威インテリジェンスプラットフォームです。RainForestは、これらのデータを個別に閲覧するだけでなく、IPアドレス、攻撃インフラ、脆弱性、攻撃手法、脅威アクターといった情報を相互に関連付けて分析できる環境の構築を進めています。
今後の展開
RainForestは今後、「Residential Proxy Intelligence」における観測対象の拡大と評価ロジックの高度化を進める方針です。また、Senda Nexusが収集するDarknet、ハニーポット、インターネット観測データなどとの相関分析を強化し、レジデンシャルプロキシ、ボットネット、侵害されたルーターやIoT機器などが攻撃インフラとして利用される兆候の把握につなげていくとしています。
さらに、IP単体の分析に加え、ASN、ISP、国・地域、利用プロトコル、MITRE ATT&CKテクニックなどを横断して分析できる機能を強化し、SOC(セキュリティオペレーションセンター)、CSIRT(コンピューターセキュリティインシデント対応チーム)、脅威インテリジェンス担当者などの調査・分析業務を支援していくとしています。
Senda Nexusについて
Senda Nexusは、RainForestが開発する脅威インテリジェンスプラットフォームです。サイバー攻撃に関する複数の情報を統合し、攻撃インフラ、脅威アクター、脆弱性、攻撃活動の調査・分析を支援します。異なる観測データを関連付けることで、組織のSOC、CSIRT、脅威インテリジェンス業務における状況把握と意思決定を支援する役割を担っています。
関連情報
ソース
Senda Nexusにレジデンシャルプロキシ候補評価・可視化機能を追加
https://nexus.senda-lab.jp/
