企業動向

DNP、AI時代の安全なデジタルサービス利用を支える認証基盤を金融機関向けに提供開始


大日本印刷はLydsec Keypasco Digital Technologyと協業し、金融機関向けに本人確認から重要取引まで一貫した「DNPマルチトラスト認証」を2026年11月に提供開始。AI時代のデジタルサービス利用におけるセキュリティ強化と利便性向上を目指します。

開発背景と狙い

近年、金融サービスを標的としたフィッシングやなりすましといったサイバー攻撃は高度化・巧妙化しています。これに対し、金融庁は2025年10月に「金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針」を改正し、インターネット取引におけるログインや出金などの重要操作時に、フィッシングに耐性を持つ多要素認証の実装を義務化する方針を示しています。一方で、認証の多重化による利用者の操作負担を抑え、セキュリティと利便性の両立が課題となっています。

DNPは、これまで培ってきたオンライン本人確認(eKYC)総合サービスをはじめ、認証分野の技術とノウハウを基盤に、「DNPマルチトラスト認証」を開発しました。本サービスには、Keypasco独自のデバイス認証技術やFIDO認証、2経路認証、リスクベース認証などが活用されています。両社の技術とノウハウを組み合わせることで、金融サービス事業者のセキュリティ強化と利用者の操作負担軽減を支援するとしています。

サービスの概要と特長

1. 本人確認時の情報を継続的に活用

口座開設や会員登録時に確認した本人と利用端末の情報を、その後のログインや重要取引時にも活用し、本人であることや利用端末の真正性を継続的に認証します。正規のIDや認証情報を用いたアクセスであっても、本人確認時に登録した端末であるか、アクセス状況に不審な点がないかを確認し、なりすましによる不正アクセスや不正取引のリスク低減を支援します。

2. 利用者の操作負担を抑えながらセキュリティを強化

パスワード入力に依存しないFIDO認証(指紋や顔などの生体情報で本人認証を行う仕組み)を活用するとともに、利用端末をバックグラウンドで検証することで、利用者の操作負担を抑えつつ安全性を高めます。

3. IDや認証情報の盗用による不正取引への対策を強化

Keypasco独自のデバイス認証技術に加え、利用端末やアクセス状況から不正利用のリスクを判定する「リスクベース認証」を活用します。高リスクと判断された場合には、取引操作とは異なる経路で利用者本人が取引内容を確認・承認する「2経路認証」を実施し、不正な送金や取引の発生を抑止するとしています。

今後の展開

DNPは、本サービスを含む本人確認サービス関連事業で、2030年度までに累計20億円の売上を目指すとしています。

同社とKeypascoは、本サービスを銀行、証券会社、クレジットカード会社などの金融サービス事業者向けに提供するとともに、今後は製造業や行政サービスなど、高い安全性が求められる領域への展開を進める方針です。また、両社は本人確認や端末認証で培った技術とノウハウを、AIエージェントの真正性や権限などを確認する「Know Your Agent」への応用も視野に入れています。AIが利用者に代わって申請や契約、取引などを行うことを想定し、AIによる代理処理の発生時に利用者が手元の端末でリアルタイムに内容確認および承認を行う仕組みへの拡張を目指すとしています。人やAIエージェントが安全にデジタルサービスを利用できる基盤づくりを進め、安全・安心で信頼性の高いデジタル社会の実現に貢献するとしています。

関連情報

ソース

DNPとKeypascoがAI時代の安全なデジタルサービス利用を支える認証の基盤づくりを推進:https://www.dnp.co.jp/news/detail/20178597_1587.html

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