企業動向

サイバー攻撃の「見えない入口」を可視化か グランセキュノロジーが新サービス「Mitokude.local」提供開始


グランセキュノロジー株式会社は2026年9月、社内や工場ネットワークに潜む「シャドーIT」を自動検出し、サイバーリスクを可視化する「Mitokude.local」の提供を開始しました。同サービスは、これまで把握困難だった内部ネットワークのIT資産と攻撃経路を明確にし、企業のセキュリティ対策強化を支援します。

背景:シャドーITがもたらす新たなサイバーリスク

近年、サイバー攻撃は高度化・巧妙化しており、企業は外部からの侵入を防ぐだけでなく、侵入される可能性を前提とした内部ネットワークのセキュリティ対策も重要視されています。

企業のIT環境では、PCやサーバーに加えて、スマートフォン、ネットワーク機器、IoT機器、さらには工場設備など、ネットワークに接続される機器が多様化しています。一方で、管理部門が把握していない端末や、従業員が持ち込んだ機器など、「シャドーIT」と呼ばれる未管理のIT資産が増加する傾向にあります。

これらのシャドーITは、適切なセキュリティ対策が施されないまま使用されることが多く、サイバー攻撃の侵入口となったり、一度侵入された後の攻撃拡大に悪用されたりするリスクがあるとしています。特に、社内ネットワークや工場といった閉域環境では、従来の資産台帳だけでは実際の接続状況を把握しきれないケースが散見されるといいます。

「Mitokude.local」の主な機能

「Mitokude.local」は、内部ネットワーク上のIT資産を自動的に発見し、その構成とセキュリティリスクを可視化します。専用ソフトウェアのインストールが不要な「エージェントレス型」でスキャンすることで、PCやサーバー、スマートフォン、ネットワーク機器など、実際にネットワークにつながる多様な機器を把握できるのが特徴です。

  1. シャドーITの自動検出
    社内ネットワーク上に接続されている機器を自動的に検出し、管理部門が知らない端末や持ち込み機器などを可視化します。定期的なスキャンにより、新たな機器が接続された際の通知機能も備えています。

  2. 侵入後の悪用経路まで可視化
    検出した機器に脆弱性情報や構成情報を紐付け、内部ネットワークへ侵入された場合に攻撃者に悪用される可能性のある機器や攻撃経路を可視化します。これにより、万が一の侵入時にどこにリスクがあり、どのように被害が広がる可能性があるかを把握し、対策につなげることができるとしています。

  3. IT資産とセキュリティリスクの一元管理
    発見したIT資産を一元的に管理し、それぞれの資産にセキュリティリスクを紐付けて表示します。これにより、従来の資産台帳では把握しきれなかった「実際にネットワークにつながっているIT資産」を反映した、最新の資産台帳として活用できるといいます。

MitokudeのWebセキュリティダッシュボード画面

幅広いIT資産に対応

「Mitokude.local」は、一般的なPCやサーバー(Windows、Linux、macOS搭載端末)だけでなく、スマートフォンやネットワーク機器にも対応します。さらに工場環境では、PLC(プログラマブルロジックコントローラ)、SCADA・HMI、産業用PC、製造実行システム(MES)など、製造現場で使用される機器も対象としており、導入企業の環境や要望に応じたカスタム対応も可能としています。

被害事例から見る「Mitokude.local」の有効性

同社は「Mitokude.local」により、以下のような被害リスクの早期発見・対策に貢献できるとしています。

  • 港湾システムでのランサムウェア被害: VPN機器を起点に内部ネットワークへ侵入され、コンテナ作業が停止したケースでは、侵入口となり得る機器から重要業務サーバーまで、どのような経路で到達できる可能性があるかを可視化し、優先的な対策につなげます。

  • 小売事業者でのVPN経由侵入、個人情報流出: ネットワーク機器の脆弱性を悪用したVPN経由の侵入から、約49万人分の個人情報を含むデータに影響が及んだケースでは、VPN突破後に内部ネットワークを通じて複数のサーバーへ被害が広がる可能性を事前に可視化することで、アクセス制限やネットワーク分離など、被害拡大を抑える対策判断の材料とすることができます。

CAASM領域への展開:「Mitokude」の全体像

グランセキュノロジーはこれまで、インターネット上に公開されているドメインやIPアドレス、サーバーなど、企業の外部からアクセス可能なIT資産を継続的に発見・可視化する「Mitokude.pub(ミトクデ ドットパブ)」を提供してきました。

今回、内部ネットワークを対象とする「Mitokude.local」を加えることで、可視化範囲を社内・工場内部へと拡大。今後はクラウド環境などにも対象を広げ、社内外に点在するIT資産とサイバーリスクをまとめて把握・管理できるCAASM(Cyber Asset Attack Surface Management:サイバー資産攻撃対象領域管理)サービスとして「Mitokude」を展開していく方針です。

CAASMは、ガートナーが定義したセキュリティ技術コンセプトで、組織内外に点在するIT資産を横断的に把握し、攻撃者に悪用される可能性のある資産や脆弱性を可視化することで、管理漏れの防止やセキュリティ対策の優先順位付けにつなげるものとして注目されています。

Mitokude製品ファミリーの全体図

今後の展望と導入目標

現在、「Mitokude」は約300の公開資産を対象に導入・提供されており、「Mitokude.local」についても、大手複数社で導入・検証が進められています。同社は今後、2027年9月までに「Mitokude」で約10,000の公開資産、「Mitokude.local」で約30社への導入を目指すとしています。

さらに将来的には、個々の企業内のIT資産管理にとどまらず、取引先やグループ企業を含めたサプライチェーン全体のIT資産とサイバーリスクを可視化する仕組みへと発展させ、企業単体だけでなく、サプライチェーン全体のセキュリティ強化を支援していく方針です。

サービス概要

Mitokude.local

  • 提供開始日: 2026年9月

  • 料金: 利用規模・環境に応じて個別見積もり

  • 対象環境: 社内ネットワーク、工場ネットワークなど

  • 主な機能: 内部ネットワーク上のIT資産の自動検出・可視化、シャドーITの検出、脆弱性・リスク情報の把握、内部侵入後の悪用リスク・攻撃経路の可視化、IT資産管理 など

  • サービスサイト: https://mitokude.com/local/

Mitokude.pub

  • 提供開始日: 2025年6月

  • 料金: Basic:5,000円/月・1FQDN、Advanced:50,000円/月・1FQDN、Chaos engineeringオプション:+25,000円/月〜

  • 対象: インターネット上に公開されている企業のIT資産

  • 主な機能: ドメイン、IPアドレス、公開サーバーなどのIT資産の発見・可視化、脆弱性・セキュリティリスクの把握、外部から見た攻撃対象領域の継続監視 など

  • サービスサイト: https://mitokude.com/pub/

グランセキュノロジー株式会社 概要

  • 設立: 2024年7月

  • 所在地: 東京都新宿区西新宿3-20-2 東京オペラシティタワー

  • 代表者: 代表取締役 横濱 友一

  • 事業内容: サイバーセキュリティ対策、コンサルティング

  • URL: https://www.grandsecunology.co.jp/

ソース元

サイバー攻撃の侵入口となる「シャドーIT」を自動検出 社内・工場に潜む“見えないIT資産”とリスクを可視化する「Mitokude.local」提供開始
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000190527.html

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