企業動向

Kトラスト、「無数鍵多重時変成立点理論」で6件目の特許取得—情報漏洩後の犯罪成立阻む新セキュリティへ


株式会社Kトラストは、次世代セキュリティ構想「無数鍵多重時変成立点理論」に関連する6件目の特許権設定登録を完了したと発表しました。これにより、情報が漏洩してもその先の不正な処理を成立させない新たな防御概念の社会実装を目指します。

「漏洩しても成立させない」新常識

現代のインターネット社会において、企業や行政機関、金融機関などあらゆる場所で大量の情報が保存されています。情報漏洩そのものを防ぐことは極めて重要であるものの、漏洩した情報がフィッシング詐欺やなりすまし、不正送金などの二次的な犯罪に再利用されるリスクが指摘されています。

Kトラストが目指すのは、「情報を絶対に漏らさない」という第一防衛線に加え、「漏洩しても使わせない」という第二防衛線を社会に加えることです。これにより、情報漏洩から始まるフィッシングや不正ログインなどの二次・三次被害を抑制する社会基盤の構築を目指すとしています。

成立点と多重時変のイメージ

複雑なのはシステム側、人はシンプルに

現在の認証システムでは、ユーザーに複雑なパスワードの記憶や定期的な変更、複数の認証情報の管理といった負担が求められることがあります。これにより、パスワードの使い回しや単純化といった別の問題が生じるケースも少なくありません。

同社が提唱する「無数鍵多重時変成立点理論」は、人間側に過度な記憶負担を要求せず、システム側で安全性を高めていく方向を目指します。これは、「人間を複雑にする」のではなく、「システム側を複雑・動的にする」という考え方に基づいています。

暗証情報そのものの文字数や複雑性だけに安全性を依存させるのではなく、複数の情報や条件を利用し、その一部の役割を時間とともに変化させます。短期間だけ有効な識別情報を生成し、必要な条件が揃ったときだけ重要な処理を成立させる仕組みです。これにより、「何を知っているか」だけでなく、「今、この瞬間に、必要な条件が成立しているか」を重視する構造となります。

成立点と時変と無数鍵のイメージ

多段階認証で攻撃を阻む

この理論を発展させることで、認証を入口の1回だけで終わらせないシステム設計が可能になります。例えば、ログイン後に異常検知や端末確認を行い、その上で再度人による成立確認を求める多段構造が考えられます。重要な処理へ進むたびに新しい成立条件を設けることで、仮に入口の認証が突破された場合でも、その先へ連続して進むことを難しくする設計が実現できるとしています。

また、サーバー攻撃やマルウェアへの「追加防御層」としても応用が期待されます。各段階の間に、端末状態確認、通信状態確認、マルウェア・異常挙動検査、AIによる異常検知などを組み合わせることで、攻撃者が最初の入口を突破しても、最終的な重要処理まで到達できるとは限らない構造を構築することが可能です。

従来との比較の全体図

特許技術の具体的な構成

今回登録された特許では、外部から要求された重要な確定処理について、入力データを複数のブロックに分け、時間窓ごとに役割を抽選する技術構成が採用されています。短期識別子を生成し、成立条件を判定。条件が成立した場合に「成立点」として確定処理を実行し、不成立の場合は「未成立最終地点」として終了します。その結果、拠点、地点、経路、時刻は証跡として記録されます。

この技術は、金融分野での送金・決済、行政での申請・承認、医療での重要な承認処理、自動車のエンジン始動、製造業の産業機械作動、IT分野のAPIによる重要処理など、幅広い分野での応用が想定されています。

「未成立」も記録する重要性

本技術のもう一つの特徴は、正常に処理された記録だけでなく、条件を満たさず重要処理が実行されなかった場合も「未成立最終地点」として確定し、その事実を証跡として残す構造を備えている点です。これにより、「実行された」だけでなく、「重要処理は実行されなかった」という事実についても後から検証できる仕組みを目指すとしています。これは、金融、行政、企業監査、事故調査、サイバーセキュリティなど、説明責任が求められる領域において重要な意味を持つと見られます。

目指す社会像

Kトラストが目指すのは、「人がセキュリティに合わせる社会」から「セキュリティが人を守る社会」への転換です。暗証番号を覚えるストレスを減らし、複雑なセキュリティシステムをシステム側が担うことで、ユーザーがより安心してデジタル社会を利用できる新しい安全基盤の構築を目指しています。

同社は、知的財産の取得だけを目的とするのではなく、研究・実装・検証・社会実装を通じて、情報漏洩やフィッシング詐欺、不正アクセスなどの社会問題の解決に貢献していくとしています。

Kトラストのウェブサイトはこちらです。

特許概要

  • 特許番号: 特許第7896833号

  • 出願番号: 特願2026-028168

  • 発明名称: 情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、及び情報処理システム

  • 出願日: 2026年2月25日

  • 登録日: 2026年7月21日

  • 位置付け: 「無数鍵多重時変成立点理論」に関連する6件目の特許権設定登録

ソース元

  • ページタイトル: 「漏洩しても、その先を成立させない」セキュリティへ Kトラスト、「無数鍵多重時変成立点理論」で6件目の特許取得

  • URL: https://www.atpress.ne.jp/news/403756

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