企業動向

日本のランサムウェア対策市場、2031年までに16.3億ドル拡大予測 サイバー攻撃の増加が需要を牽引


東京都港区に本社を置く株式会社マーケットリサーチセンターの最新レポートによると、日本のランサムウェア対策市場は2026年から2031年にかけて16.3億ドル増加する見込みです。製造業や医療、金融分野へのサイバー攻撃増加が市場拡大の主要因となっています。

サイバー攻撃の増加が市場を牽引

日本におけるランサムウェア対策は、過去5年間で製造業、医療、金融分野に対するサイバー攻撃が顕著に増加したことにより、企業や政府機関にとって喫緊の課題となっています。

2022年にはNISC(国立研究開発法人情報通信研究機構サイバーセキュリティ戦略本部)が、地域病院や製造業のサプライチェーンへの攻撃を含むインシデントを報告しました。これにより、多くの組織は継続的な監視、エンドポイント保護、迅速なインシデント対応フレームワークの導入を加速させています。改正サイバーセキュリティ基本法やNISC主導の重要インフラ保護ガイドラインといった政府の取り組みも、高度な防御策の導入と情報漏洩の義務的な報告を奨励するものです。

特に東京、大阪、名古屋といった主要都市でのリモートワークの拡大や、企業運営におけるクラウド統合の増加は、攻撃対象領域を広げています。これにより、ゼロトラストアーキテクチャ、AI駆動型脅威検出、および自動バックアップソリューションへの需要が高まっていると同センターは指摘しています。一方で、サイバーセキュリティ人材の不足や、高度な対策プラットフォームの高コストは、特に中小企業にとって依然として課題となっています。

厳格化する規制と多様な対策

日本の金融庁は、金融機関に対してより厳格な規制監督を実施し、運用レジリエンスとデータ保護を強調しています。これが、企業によるランサムウェア対策への投資を強化する一因です。ISO/IEC 27001準拠やJIS Q 27001規格の順守といった業界固有の認証は、機密性の高い分野にサービスを提供するベンダーにとって不可欠なものとなっています。

従来のネットワークセキュリティに加え、オフラインおよびイミュータブルバックアップ、エアギャップネットワーク、ランサムウェアの机上演習といった代替戦略の導入も拡大しています。日本のデジタルトランスフォーメーションおよびイノベーション政策の下での税制優遇措置は、サイバーセキュリティインフラへの投資を支援してきました。

主要プレイヤーと市場動向

日本の市場活動は、グローバルなテクノロジーリーダーと、ローカライズされた脅威や規制要件に対応する国内スペシャリストが混在する競争環境を反映しています。

NECは、重要インフラ分野でセキュリティオペレーションセンターとAI搭載の監視サービスを拡大しています。東京に本社を置くトレンドマイクロは、エンドポイント検出、クラウドセキュリティ、マネージド脅威対応サービスを強化し続けています。NTTセキュリティは、コンサルティングおよびインシデント対応サービスを強化し、中堅企業や政府顧客を支援しています。富士通もマネージド検出および対応サービスやコンサルティングを提供しています。

パロアルトネットワークス、シスコシステムズ、IBM、マイクロソフトといった国際的なプレーヤーも、クラウドネイティブなランサムウェア対策プラットフォームと地域に準拠したデータ処理能力により、日本での事業を拡大しています。エンドポイント、ユーザーアカウント、またはマネージドサービスパッケージに連動したサブスクリプションベースの料金モデルが標準となり、あらゆる規模の企業でスケーラブルな導入を可能にしています。

展開モードと導入事例

展開モードでは、オンプレミス型が、特に機密性の高い金融、医療、防衛データを管理する多くの大企業や政府機関で引き続き好まれています。三菱UFJフィナンシャル・グループや三井住友銀行はオンプレミスのSIEMシステムとエンドポイントセキュリティソリューションを運用し、東京大学病院や大阪大学病院などの病院もオンプレミスのバックアップアプライアンスを利用しています。

一方、クラウド展開は、スケーラビリティ、リモートアクセス、一元的な監視機能のために、テクノロジー企業、中小企業、小売チェーンの間で注目を集めています。マイクロソフトAzure Japanと東京のAmazon Web Servicesは、クラウドネイティブなランサムウェア対策プラットフォームを提供しています。オンプレミスインフラストラクチャとクラウド監視を組み合わせたハイブリッド展開も、規制遵守、運用効率、スケーラビリティのバランスを取るために一般的になりつつあります。

トヨタ、日立、ソフトバンク、ソニーといった日本の大企業は、ネットワーク、エンドポイント、メール、クラウドセキュリティを統合した包括的なランサムウェア対策戦略を実施しています。中小企業では、予算やIT専門知識の制約から、トレンドマイクロ、Panda Security、Acronisなどのクラウドベースソリューションの採用が増加しています。

セクター別導入状況

BFSI(銀行・金融サービス・保険)セクターでは、三菱UFJフィナンシャル・グループや三井住友銀行がエンドポイントセキュリティやネットワーク監視を導入しています。IT・通信企業では、ソフトバンクやNTTドコモがマネージド検出および対応サービスを展開しています。防衛省や東京都庁などの政府・防衛機関は、NECセキュリティやNTTセキュリティのソリューションで重要なインフラを保護しています。

医療・ライフサイエンス分野では、東京大学病院や武田薬品工業がハイブリッドバックアップやエンドポイントセキュリティに依存しています。教育機関では、東京大学や京都大学がウェブ、メール、エンドポイント保護を展開し、小売企業ではユニクロや楽天がEコマース運営の継続性維持に努めています。エネルギー・公益事業企業も、重要な産業用制御システムを保護するために、ネットワーク監視やエンドポイント保護を利用しています。

AIおよび機械学習機能の統合の増加、官民連携の強化、ならびに国および地域のサイバーセキュリティ規制の順守の継続的な強調を通じて、全国的にランサムウェア対策のエコシステムがよりレジリエントになることが期待されています。

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press プレスリリースを元に、サイバーセキュリティ関連の企業動向を配信しています。情報の正確性についてはソース元をご確認ください。



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