企業動向

RainForest、AIエージェントの「実行証跡レイヤ」構想を発表 – AIの“実行”を監査する新基盤「Senda-Argus」


株式会社RainForestは、AIエージェントが外部システムに対して実行した内容を証跡化する監査基盤「Senda-Argus」の構想を発表しました。AIが「回答」から「実行」へと進化する中、その実行過程における監査と説明責任を支援する技術として、2026年のInterop Tokyoでの展示も予定されています。

RainForest、AIエージェントの「実行証跡レイヤ」構想を発表

株式会社RainForestは2026年5月26日、AIエージェントやMCP(Multi-modal Coordination Platform)が外部ツールや業務システムに対して実行した内容を証跡化する監査基盤「Senda-Argus」の構想と開発方針を明らかにしました。AIが「回答」から「実行」へと役割を拡大する中、その実行過程における監査と説明責任を支援する技術として注目されます。

AIの「実行」がもたらす新たなリスク

近年、生成AIはクラウド上での回答生成にとどまらず、業務端末、閉域環境、オンプレミス、工場、ロボット、セキュリティ運用環境など、より現場に近い場所での動作へと進化しています。この動きに伴い、AIエージェントがMCPを介して情報収集、分析、チケット作成、設定変更などを実行する場面が増加しています。これにより、リスクの中心は「AIが何を回答したか」だけでなく、「AIが実際に何を実行したか」へと移行しつつあります。

従来のAIセキュリティ対策は、プロンプトやレスポンスの検査、ジェイルブレイクやプロンプトインジェクションの検知などが中心でした。しかし、AIエージェントが複数のツールを呼び出し、業務システムや閉域環境で処理を実行する場合、外部からの通信監視だけでは、エージェント内部での判断過程や、どのツールがどのような引数で実行されたかを十分に把握できないという課題がありました。特にLocal LLM、Edge Agent、閉域ネットワーク、工場・OT環境では、中央集約型の監視が届きにくい領域が生じます。

「Senda-Argus」が目指す実行証跡の可視化

Senda-Argusは、LLMの入出力を保護するだけでなく、AIエージェントやMCPの実行点を監査するコレクター技術として設計されています。主な収集対象は、プロンプト、モデル、ツールコール、引数、トレースID、レスポンスメタデータなどです。これらの情報は、リスク判定、デシジョントレース、ハッシュチェーンと組み合わされることで、後から説明可能な実行証跡として保持されることを目指します。

Senda-Argus LLM Activity Report
Senda-Argusは、LLMエージェントのアクティビティログに基づき、ユーザー指示の解釈、ツール選択、外部リソースへのアクセス状況を時系列で整理するレポート機能を提供します。

収集方式としては、SYSTEMプロンプトに監査指示を埋め込み、LLM自身がログ収集MCPを呼び出す「Stealth Collector」と、Pythonのollama/openai/gemini APIをフックし、LLM応答内のツール/ファンクションコールを抽出する「Agent Collector」の2方式が想定されています。これにより、カスタムモデルを利用するAIクライアントから、Python製AIエージェント、内製AIアプリまでを対象とした監査が可能となるといいます。

LLMによるファイル操作検出の概要
Senda-Argusによる検出概要では、LLMによるファイル検索から読み取りまでの一連の操作チェーンが確認できるとされています。

AI時代の「実行証跡レイヤ」へ

RainForestは、Senda-ArgusをAIが現実世界や業務システムを実行する時代に不可欠な「実行証跡レイヤ」と位置づけています。AIエージェントが業務システム、セキュリティ基盤、OT(Operational Technology)、ロボット、閉域環境へと適用範囲を広げるにつれて、企業には「AIがなぜその操作を行ったのか」「誰の指示で、どのツールを、どの引数で呼び出したのか」を説明する責任が生じます。

同社は、この領域における技術開発、実証、事業化を進めるため、AIエージェント、MCP、Edge AI、セキュリティ、OT、ロボティクス領域の企業、投資家、研究機関との連携を強化していく方針です。

Interop Tokyo 2026での展示

RainForestは、2026年に開催される「Interop Tokyo 2026」に出展を予定しています。同展示では、Senda-Nexusを活用した国産IP脅威インテリジェンス基盤に加え、AIエージェントがMCP経由で観測データを参照し、収集・分析・レポート生成を支援するAI for Securityの実装例を紹介するといいます。

また、今回発表されたSenda-Argusについても、AIエージェントやMCPの実行証跡収集、ツールコールや引数の監査、デシジョントレースによる説明可能性といった将来構想が紹介され、AIが「回答」から「実行」へ進む時代に必要な監査基盤について、来場者や事業会社、投資家との意見交換が行われる予定です。

今後の展望

RainForestは、AIエージェントが業務やセキュリティ運用の現場で活用される時代に向けて、AIの判断と実行を後から説明できる仕組みの研究開発を推進していく構えです。Senda-Argusを通じて、AIエージェント、MCP、Local LLM、Edge AI環境における実行証跡の収集、監査、説明責任、改ざん耐性の実現を目指すとしています。

本領域に関心を持つ事業会社、投資家、研究機関、セキュリティベンダー、OT・ロボティクス関連企業との連携を歓迎すると表明しています。

株式会社RainForest 会社概要

  • 会社名: 株式会社RainForest

  • 事業内容: AI for Security、脅威インテリジェンス、AI Agent / MCP関連技術の研究開発

  • URL: https://www.rainforest-cs.jp/

  • お問い合わせ先: info@rainforest.jp

ソース元

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