背景:広がる企業のIT環境とセキュリティリスク
近年、企業のクラウド活用は急速に進展しており、守るべきIT環境は従来の端末やアカウントの範囲を超え、クラウド上の業務システムや重要な情報資産にまで拡大しています。これに伴い、外部からのサイバー攻撃だけでなく、内部不正による情報漏えいのリスクも高まっています。
特に、盗まれたアカウント情報やフィッシングメールを起点とした侵入後、権限を悪用してクラウド基盤や情報資産を狙う攻撃が増加傾向にあります。Microsoft Azure上のストレージやデータベース、仮想サーバーへの攻撃、あるいは認証情報の悪用は、端末監視だけでは検知が困難です。また、正規の権限を持つ利用者による大量のファイルダウンロードや機密情報の外部共有といった内部不正の予兆も、従来の監視では見逃されやすい領域でした。
こうした課題に対応するため、S&JはMy SOC 365の監視範囲を拡張し、攻撃の入口からクラウド基盤、そして情報資産までを一体的に監視できる体制を構築したと説明しています。
機能強化の主な内容
今回の機能強化により、My SOC 365は以下の点において監視能力を向上させました。
1. クラウド基盤(Microsoft Azure)の監視
Microsoft Azure上の仮想サーバー、コンテナ、ストレージ、データベースに対する攻撃や、認証情報の悪用、不審なアクセスなどを検知します。これにより、Microsoft 365環境とクラウド基盤を個別のサービスで監視する際に生じがちな情報連携の遅れや判断の遅延を抑制し、攻撃の広がりを早期に把握することが可能になるとしています。
2. 情報の持ち出し(Microsoft Purview)の監視
Microsoft Purviewを活用し、顧客が設定したポリシーに基づき、機密情報の外部共有・外部送信、短期間での大量ファイルダウンロード、ポリシー違反のファイル操作などを検知します。これにより、外部からのサイバー攻撃だけでなく、正規の権限を持つ利用者による内部不正の予兆も、同一の監視体制で把握できるといいます。
3. セキュリティレポートの掲載項目を拡張
週次で提供されるセキュリティレポートに、以下の4項目が追加されました。
-
リスクベース条件付きアクセスの適用状況
-
脆弱性
-
ソフトウェアインベントリ
-
シャドーITとクラウドアプリの利用状況
これにより、検知された脅威への対応状況に加え、組織に残る弱点や、情報システム部門が把握していないクラウドサービスの利用実態まで可視化できるとしています。
4. 端末への導入作業は不要
My SOC 365はエージェントレスで動作するため、今回の機能強化にあたり、端末へのソフトウェア導入や監視環境の再構築は不要であるとのことです。
今後の展望
S&JはMy SOC 365の機能強化を継続的に進める方針です。2026年10月には、自動対処の対象範囲をクラウド上のアカウントから社内Active Directoryのアカウントへ拡大し、クラウドと社内の双方を同時に封じ込める機能を提供する予定です。
さらに、2026年11月には、My SOC 365のセキュリティレポートが、経済産業省と内閣官房国家サイバー統括室が主導する「サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度(SCS評価制度)」の証跡として活用できるようになる見込みです。S&Jは今後もMicrosoft 365とMy SOC 365の連携を強化し、AI活用による「検知・判断・対応」の高度化を通じて、顧客のセキュリティ運用をトータルで支援し、インシデントによる実害ゼロの実現に取り組むとしています。
S&J株式会社について
S&J株式会社は、2008年11月に設立されたサイバーセキュリティ事業を展開する企業です。東京都港区新橋一丁目1番1号 日比谷ビルディング8Fに本社を置き、セキュリティ監視・運用、コンサルティングサービス、セキュリティ事故対応など、「防御・検知・対処」を重視したサービスを提供しています。
ソース元
My SOC 365 サービス
https://www.sandj.co.jp/services/mysoc365/
