偽エンゲージメントは安価に入手可能、再生数は約220円から
Surfsharkの分析では、SNS投稿の偽再生回数が最も安価なエンゲージメント形態であるという傾向が示されました。価格はTikTokの1,000回再生あたり約220円から、YouTubeの1,000回再生あたり約1,052円となっています。これに対し、コメントはSNS上で最も高額な偽エンゲージメントであり、1,000コメントあたりの平均価格はYouTubeが最も安く約14,601円、Facebookが約45,059円でした。
Surfsharkの最高セキュリティ責任者であるトマス・スタムリス氏は、最も重要な問題は偽エンゲージメントの格安なコストそのものではなく、ネット閲覧時における私たち自身の無警戒な姿勢や懐疑心の欠如にあると説明しています。ユーザーはコンテンツの正当性を検証する意識がまだ十分に育っていないため、詐欺の可能性があると気づかずに広告やページを信用してしまうことが多いといいます。
同氏は、再生回数はボットによって簡単に達成できるため、プラットフォームがボットを削除しても再生回数には影響しないと述べています。一方で、コメントは偽アカウントが削除されればそのコメントも消えるため、偽装が難しいと指摘しています。SNSのスパムフィルターはボットによる操作やコメントを常時監視しており、同一内容と判定されないコメントを作成するにはAIだけでなく人間による入力も必要であるとしています。
詐欺業者はフォロワー数やリポスト数も偽装
今回の調査では、シェア、リポスト、リツイートが、偽エンゲージメントの中で2番目に高額な傾向にあることも判明しました。偽のシェア1,000件を購入する場合、最も高額なのはTikTokの約10,676円で、YouTubeは例外的に安く約2,669円でした。
フォロワーやチャンネル登録者も比較的安価に購入できます。Facebook、TikTok、Instagram、Xでは、偽のフォロワー1,000人あたりの価格は約2,198円から約3,140円です。YouTubeは明確な例外で、偽のチャンネル登録者1,000人の価格は約12,246円でした。
スタムリス氏は、フォロワー数が多いアカウントは世間から高い関心を集めていると受け取られがちだが、実際には実体のない休眠アカウントやボット、購入済みのアカウントが多数並んでいることがあると注意を促しています。
広告やアカウントの信頼性を確認する4つの方法
スタムリス氏は、広告やSNSページの信頼性を確認する方法として、次の4点を挙げています。
- フォロワー数とエンゲージメント数の割合を確認する
一般的なアカウントでは、「いいね」の数は総フォロワー数の1〜5%程度が一つの目安です。フォロワーが50万人いるにもかかわらず、「いいね」が200件しかない場合は、不自然な点がある可能性があります。 - 実際のコメント欄を確認する
「すばらしいコンテンツ!」「大好きです!」といった抽象的で似通ったコメントは、偽の可能性があります。短時間に集中して投稿されていたり、表現や文章の構造が似ていたりするコメントも偽装されたものであると判断する手掛かりとなります。 - アカウントの成長履歴を確認する
専用ツールでフォロワー数や成長の推移を確認し、短期間でフォロワー数が急増している場合は、偽のエンゲージメントを購入している可能性があります。 - フォロワーのプロフィールを分析する
フォロワーの中から10〜20件程度のプロフィールを確認します。ボットアカウントには、ユーザー名の形式が似ている、アカウントの作成時期が集中している、友達やフォロワーが少ない一方で多数のアカウントをフォローしているといった共通点が見られる傾向があります。
調査方法とSurfsharkについて
本分析はSurfsharkが2026年7月に実施したものです。価格データは、Facebook、Instagram、TikTok、YouTube、X(旧Twitter)の主要SNS5社を対象に、SocialWickとBuzzVoiceから収集されました。
Surfsharkは、監査済みVPNや認証済みアンチウイルスなどを提供するサイバーセキュリティ企業です。本社はオランダにあり、リトアニアおよびポーランドにもオフィスを構えています。
ソース元
SNS上で作り出される「偽りの人気」の実態
URL: https://surfshark.com/research/chart/fake-engagement-on-social-media
Surfshark 調査レポート
URL: https://surfshark.com/research
