企業動向

GMO Flatt Security、半年で約3万1,000件の悪性パッケージを検出 「ソフトウェアサプライチェーン 脅威レポート 2026」公開


GMO Flatt Securityが「ソフトウェアサプライチェーン 脅威レポート 2026」を公開し、過去半年間で約3万1,000件の悪性パッケージを検出したことを明らかにしました。同社のセキュリティAIエージェント「Takumi byGMO」の「Guard」機能は、1日あたり5,000万件を超えるパッケージダウンロードを検査しており、ソフトウェアサプライチェーン攻撃の常態化と水際対策の重要性が浮き彫りになっています。

半年で約3万1,000件の悪性パッケージが検出される

GMO Flatt Securityは、主要パッケージレジストリ(npm、PyPI、RubyGemsなど)を継続的に観測。2026年2月19日から8月18日までの181日間で、約1,900万件のパッケージを解析し、そのうち約3万1,000件を悪性パッケージと判定しました。観測期間中、悪性パッケージが検出されなかった日は一日もなく、大規模な侵害事例が報じられない期間においても、新たな悪性パッケージの公開が続いていると指摘しています。これにより、ソフトウェアサプライチェーン攻撃は特定の時期に集中するものではなく、常態化している状況が浮き彫りになりました。

悪性パッケージが狙うのは、組織の権限と開発者個人の資産の両方です。端末侵入後、SSH秘密鍵やクラウドの管理権限、パッケージの公開権限といった開発業務で用いられる認証情報に加え、ブラウザに保存されたパスワード、SlackやDiscordのセッション情報、暗号資産ウォレットの秘密鍵なども探索されていました。特にパッケージの公開権限が奪われた場合、情報の窃取に留まらず、攻撃者がその権限を利用して別のパッケージに悪性コードを追加し、感染した開発端末が新たな配布元となる連鎖構造を持つことが確認されています。

悪性パッケージをインストール前にブロックする「Takumi Guard」

「Takumi Guard」は、パッケージレジストリとエンジニアの開発環境の間に位置するプロキシとして機能します。パッケージダウンロード時に悪性の有無をリアルタイムで検証し、悪性と判定されたパッケージは、開発者の端末やCI/CD環境に到達する前に自動でブロックされる仕組みです。導入はターミナルで1行のコマンドを実行するだけで完了し、既存のコードや作業手順の変更は不要とされています。

Takumi Guardが守る領域

同機能が検査するパッケージダウンロード数は、直近3ヶ月で急速に拡大し、2026年8月には1日あたり5,000万件を超過しました。これは5月時点から3,000万件の増加であり、開発現場における悪性パッケージからの防御、いわゆる「水際対策」の必要性が広く認識されつつあることを示しています。

著名パッケージ以外にも深刻な侵害が存在

2026年には、「axios」の改ざん(3月)、パスワードマネージャー「Bitwarden」関連パッケージの侵害(4月)、200を超えるパッケージが侵害された「Mini Shai-Hulud」(4月末〜5月)、AsyncAPIエコシステムや「keyv」の侵害(7月〜8月)など、利用者の多い著名なソフトウェアサプライチェーン攻撃が相次いで発生しています。

主要なソフトウェアサプライチェーン侵害 (時系列)

しかし、同レポートは、これらの報道された事案は氷山の一角に過ぎず、報道に至らない小規模な悪性パッケージの公開や、既存パッケージを少数ずつ侵害する活動が日々途切れることなく続いていることを裏付けています。

対策として有効な手段

こうした状況に対する有効な対策として、以下の点が挙げられています。

  1. 公開直後のバージョンを使わない
    パッケージが公開されてから一定期間が経過するまで取得せず、待機期間を設ける「Minimum Release Age」という手法があります。悪性バージョンの多くは短時間で削除されるため、危険な取得を避けることが可能です。ただし、脆弱性修正版の取り込みとのトレードオフや、一定期間経過後も公開停止されない検体も存在するため、単独ですべてを防ぐことは難しいとされています。

  2. 「Takumi Guard」の導入
    「Takumi Guard」は、悪性と判明したパッケージを開発者の端末に取り込まれる前に遮断します。これにより、待機期間を短縮しながら安全性を維持することが可能となります。実際、2026年7月のAsyncAPI、8月のkeyvにおける侵害事案では、悪性バージョン公開から約2分でブロックが完了したと報告されています。同社が確認する限り、「Takumi Guard」を利用している環境では、これらの事案による被害は発生していないとのことです。

今後の展望

GMO Flatt Securityは、今後もソフトウェアサプライチェーンへの攻撃が継続的に発生すると予測しており、パッケージレジストリの観測を続け、「Takumi Guard」を通じて開発現場に結果を還元していく方針を示しています。また、観測結果の定期的な公開を予定しており、攻撃の実態を可視化することで、開発組織が対策の優先順位を判断するための情報を提供していくとしています。

同社は「エンジニアの背中を預かる」というミッションのもと、AI時代のソフトウェアサプライチェーンを守るインフラとして、エンジニアがより安全に、そして安心して開発に専念できる環境の実現に尽力していくとしています。

GMO Flatt Security株式会社について

GMOインターネットグループでサイバーセキュリティ関連事業を展開するGMO Flatt Security株式会社は、「エンジニアの背中を預かる」をミッションに掲げ、DX推進・ソフトウェア開発のセキュリティを支援する企業です。セキュリティ製品の自社開発や企業への支援、ユーザーヒアリングを通じて得た知見をもとに、顧客組織に寄り添った伴走型のセキュリティサービスを提供しています。

同社が提供する主なサービスは以下の通りです。

  • セキュリティエンジニアによる「脆弱性診断・ペネトレーションテスト」
    https://flatt.tech/assessment

  • セキュリティ診断・ソフトウェアサプライチェーン攻撃対策特化のAIエージェント「Takumi byGMO」
    https://flatt.tech/takumi

  • AWS等クラウドの継続的な診断ツール(CSPM)「Shisho Cloud byGMO」
    https://shisho.dev/ja

  • クラウド型セキュアコーディング学習プラットフォーム「KENRO byGMO」
    https://flatt.tech/kenro

ソース元

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