企業動向

NRIセキュア、フロンティアAI活用で未公表脆弱性診断開始 予防的対策を支援


NRIセキュアテクノロジーズは、最先端のフロンティアAIモデルと独自の検証基盤を組み合わせた「フロンティアAI対応プロアクティブ脆弱性診断」の提供を開始しました。これにより、未公表の脆弱性を検出し、サイバー攻撃に対する予防的な対策実行を支援します。

NRIセキュア、フロンティアAI対応の脆弱性診断サービスを開始

NRIセキュアテクノロジーズは、2026年6月23日より、最先端の大規模AIモデル「フロンティアAI」を活用した「フロンティアAI対応プロアクティブ脆弱性診断」の提供を開始しました。このサービスは、企業・組織が保有する外部公開サーバや基幹システム、ソフトウェア製品などを対象に、未公表の脆弱性を検出し、対応策を提示することで、サイバー攻撃に対する予防的な対策実行を支援するものです。

同社独自の検証基盤「ハーネス」(システムやAIの動作を再現可能な形で実行・検証・評価するための統合的な実行環境・仕組み)とフロンティアAIを組み合わせることで、高い検出能力を実現したとしています。

フロンティアAIがサイバー脅威に与える影響

2026年4月、米国Anthropic(アンソロピック)社は、脆弱性を発見するフロンティアAIモデル「Claude Mythos Preview(Mythos)」を発表しました。同社は、主要なOS、ブラウザ、オープンソースソフトウェア(OSS)において、これまで見逃されていたものを含む多数のゼロデイ脆弱性を発見したと公表しています(Anthropic社からの2026年4月7日発表に基づく)。

フロンティアAIモデルの登場により、脆弱性の発見、解析、検証が自動化されることで、脆弱性を悪用したサイバー攻撃の速度が大きく変化すると考えられます。これにより、防御側も、攻撃にさらされる前に脆弱性を把握し、迅速な対応策を講じることがますます重要になるといいます。

新サービスの概要と主な特長

本サービスは、企業・組織の外部公開サーバ、基幹システム、ソフトウェア製品(ファームウェア、組込みソフトウェア)を対象に、一般に利用可能なフロンティアAIとNRIセキュア独自のハーネスを組み合わせて、危険度の高い未公表の脆弱性の有無を検証し、対応策を提示します。

まず、NRIセキュアの専門家が、対象のシステムや製品で利用されているソースコードおよびOSSのソフトウェア部品表(SBOM:製品に含まれるソフトウェアを構成するコンポーネントや互いの依存関係、ライセンスデータなどの一覧表)情報をもとに、診断範囲を精査します。診断の結果、危険度の高い脆弱性が検出された場合、応急処置としてNRIセキュアが作成した「独自シグネチャ」(攻撃を検知・防御するためのルールやパターン)が提供されます。

サービスの提供プロセスは以下の通りです。

本サービスの提供プロセス

本サービスの主な特長は次の2点です。

再現検証に基づく高い脆弱性検出能力

NRIセキュアは2026年5月、Mythosが発見したとされる代表的な脆弱性について、一般に利用可能なフロンティアAIとNRIセキュア独自のハーネスを用いて再現検証を実施しました。その結果、Mythosと同等のレベルで未公表の脆弱性を検出できることを確認したといいます。これは、独自開発したハーネスを使用することで初めて高い検出能力を発揮できるものです。

独自シグネチャの提供と対応策の提示

検出された未公表の脆弱性に対し、実際の修正プログラムが公開・適用されるまでの空白期間を埋めるため、侵入防御システム(IPS)やWebアプリケーションファイアウォール(WAF)などで利用可能なNRIセキュア独自のシグネチャを含む対策案が提示されます。また、脆弱性の概要、想定される悪用経路、運用上の留意点が報告書にまとめられ、修正プログラムが適用されるまでのリスクを低減しながら、迅速な対策実行を支援します。

本サービスの詳細は、以下のWebサイトで確認できます。

NRIセキュアとAnthropic Japanの連携

NRIセキュアは、これまでもAIのセキュリティに関する知見を培ってきました。今後もフロンティアAIを含む最新の技術動向を踏まえ、攻撃者に先行して脆弱性を検証し、未公表の脆弱性への対応力向上に取り組むことで、安全・安心な情報システム環境と社会の実現に貢献していくとしています。

Anthropic Japan合同会社 代表執行役社長の東條 英俊氏は、NRIセキュアの新たなサービス提供を歓迎するコメントを寄せています。AIの能力向上に伴い、防御側の安全確保への活用が重要になる中、NRIセキュアテクノロジーズが責任あるAI活用を実践している企業であると評価し、AIを社会の安全に役立てる取り組みであると述べています。同社は、NRIグループとのパートナーシップをより一層深めていく意向を示しました。

ソース元

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