企業動向

新生活狙う詐欺サイトが急増、auじぶん銀行フィッシングに警戒を


BBSS株式会社が発表した3月度ネット詐欺リポートによると、新生活シーズンを狙った詐欺サイトが増加傾向にあり、特にauじぶん銀行を装うフィッシングサイトが急増していることが明らかになりました。地方税ポータルをかたる新たな手口も確認されています。

新生活を狙う詐欺サイトの動向

3月は、新生活シーズンに便乗したフィッシングサイトが増える傾向が確認されました。東京電力やNTTドコモといった携帯キャリアを装うサイトが出現しています。

例年、この時期は国税庁をかたるフィッシングサイトが多く見られますが、今年は地方税ポータル(eLTAX)を装うサイトも新たに確認されました。これは、4月から6月にかけて固定資産税などの支払い時期となるため、その需要を狙った手口である可能性が指摘されています。

請求照会UI 地方税ポータルシステムからの差押え最終通知

さらに、世界的な野球大会に関連する違法視聴サイトも確認されました。本大会前の練習試合の段階から違法配信サイトが出現しており、詐欺サイトが季節やイベントに合わせて作られる傾向があることを示しています。

日本対阪神の野球生放送画面

auじぶん銀行のフィッシングサイトが急増

3月時点の動向に加え、4月に入ってからもauじぶん銀行を装ったフィッシングサイトが急増していると同社は報告しています。SMSやメールを利用し、「お客様番号」や「ログインパスワード」などの情報を盗む手口が確認されました。

最近では、大手銀行だけでなく、地方銀行やネット銀行など、多様な金融機関を装うフィッシングサイトが増加傾向にあります。実際に3月には、名古屋銀行をかたるフィッシングも急増しました。今後もさまざまな銀行が狙われる可能性があり、警戒が必要です。

auじぶん銀行のログインページ

auじぶん銀行は、不審なSMSやメールへの注意を呼びかけています。

フィッシングサイトブランドランキングとカテゴリ別構成比

3月度では、マネックス証券を装ったフィッシングサイトが最も多く確認されました。証券会社を狙ったフィッシング全体は減少傾向にあるものの、マネックス証券に関しては依然として高い水準が続いており、引き続き注意が必要であると同社は指摘しています。また、ランキング8位には名古屋銀行を装ったフィッシングサイトが新たにランクインしました。最近は大手銀行だけでなく、地方銀行も標的となる傾向が見られます。

2026年2月と3月のフィッシングサイトブランドランキング

カテゴリ別構成比を見ると、マネックス証券のフィッシングサイト増加に伴い、株・証券系の構成比が上昇しています。また、クレジット系のフィッシングは毎月数多く報告されており、継続的な警戒が求められます。

2026年2月と3月のフィッシングサイトカテゴリ別構成比(銀行、携帯キャリアなど) 2026年2月と3月のフィッシングサイトカテゴリ別構成比(官公庁、株/証券など)

フィッシング詐欺被害防止のポイント

BBSSは、フィッシング詐欺被害を防ぐためのポイントとして以下の点を挙げています。

  • 正規URLの確認: メールやSMSで案内されたURLはクリックせず、事前に登録したブックマークやウェブ検索で正規サイトにアクセスすることが重要です。不審なサイトを診断する無料サービスを利用し、事前にURLをチェックすることも有効です。

  • 個人情報・クレジットカード番号の入力促すメール・SMSに注意: クレジットカード会社などは、個人情報やクレジットカード情報についてメール・SMSで問い合わせることはありません。情報入力を促すページに誘導するメールには細心の注意が必要です。

  • ログインID・パスワードの使い回しを控える: 複数のサービスで同じID・パスワードを使い回すと、フィッシング詐欺で情報が詐取された場合、他のサービスも不正利用されるリスクが高まります。サービスごとに異なるID・パスワードを設定し、管理することが被害を最小限に抑える対策となります。

  • セキュリティソフトやネット詐欺対策ソフトの導入: 犯罪者の手口は日々巧妙化しており、既存の対策だけでは不十分となる可能性があります。日々進化するネット犯罪に対抗するためには、セキュリティソフトを導入し、不審なサイトへのアクセス時に注意喚起を受けることも有効です。

不審なサイトの安全性を確認したい場合は、無料で利用できる「詐欺サイトチェッカー」の活用も推奨されています。このサービスは、ネット詐欺対策ソフト「みやブル」や官公庁などから収集したブラックリストの情報をもとに、気になるサイトのURLがネット詐欺サイトとして報告されているかをチェックできます。

詐欺サイトチェッカーの画面

専門家からのコメントと今後の予測

本リポートを監修した早稲田大学理工学術院の森 達哉教授は、3月度で特に注目すべき点として、地方税ポータル(eLTAX)を装うフィッシングサイトの新規出現を挙げています。これは、1月度に首位だった国税庁を装う攻撃が確定申告シーズン後に減少した動きと関連があると見ています。森教授は、「税」という権威性を利用し、次の納付期に合わせて装う組織を切り替える計画的な手口であり、今後もこの構図が続く可能性があると警鐘を鳴らしています。

また、3月に開催された世界的な野球大会の違法視聴サイトが練習試合段階から出現していた点や、auじぶん銀行や名古屋銀行のフィッシング増加に見られる金融系の標的拡散も特徴的でした。これらは、「需要が立ち上がる直前」や「相対的に警戒度の薄い領域」を狙う動きであるとしています。森教授は、狙われる対象が大手以外にも広がる状況は、利用者の警戒が手薄になりやすい先を選ぶ動きとも言え、引き続き注視が必要であると述べています。

4月以降は、地方税の納付通知に便乗したフィッシングに加え、ゴールデンウィークの帰省や旅行需要を狙った交通・宿泊系サービスの詐称、新入学・新社会人を対象とした銀行口座・クレジットカード開設に便乗する手口、さらには夏に向けた電力会社を装うフィッシングなどが想定されると森教授は指摘しています。利用者は、SMSやメールのリンクから直接アクセスせず、必ず事前に登録した公式アプリやブックマーク経由で手続きを行うこと、そして緊急性を煽る文言ほど一拍置いて公式窓口に確認することが重要であると強調しました。

今回のリポートは、ネット詐欺の脅威が多様化し、手口が巧妙化している現状を浮き彫りにしています。利用者は常に最新の情報を入手し、適切な対策を講じることが求められます。

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