「1回限りの Amazon アカウント仮パスワード」というメールがフィッシング詐欺か検証する
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「1回限りの Amazon アカウント仮パスワード」というメールがフィッシング詐欺か検証します。
仮パスワードを使って登録し直してほしい、という内容です。
文面は以下の通り。
Amazon.co.jpをご利用いただき、ありがとうございます。
お客様のAmazonアカウントへ、端末またはアプリから登録が試みられました。
セキュリティ上の理由により、端末またはアプリの登録を一度解除した後で、再度登録しようとするとエラーメッセージが表示されます。お手数ですが以下の仮パスワードを使用して登録を行ってください。
782861
仮パスワードには発行から10分間の使用期限があります。失効後は仮パスワードの再発行が必要になりますので、アプリより再度サインインを行ってください。仮パスワードが再度発行されます。
仮パスワードは、Amazonアカウントでお使いのパスワードとは異なります。仮パスワード入力後に、Amazonアカウントでお使いのパスワードを入力してください。
Amazonアカウントでお使いのパスワードは変更されませんので、引き続きご使用いただけます。
なお、端末またはアプリの最新バージョンをインストールすることで、仮パスワードの入力が不要になる場合があります。
今回の登録の試みがお客様ご自身によるものでない場合には、パスワードのリセットを行ってください。
アカウント設定の変更については、以下のURLよりヘルプページをご覧ください。
をご覧ください
ご不明な点がありましたら、いつでもご遠慮なくお問い合わせください。
このEメールアドレスは配信専用です。ご不明な点は、下記のURLからカスタマーサービスまでお問い合わせください。
https://www.amazon.co.jp/contact-us/
今後ともAmazon.co.jpをよろしくお願いいたします。
まず、送信元を調べてみます。
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From: "amazon.co.jp" <auto-confirm@amazon.co.jp> Return-Path: <ohgzwq@umkux.org> |
送信者名は amazon.co.jp 、送信元メールアドレスは auto-confirm@amazon.co.jp となっていますが、Return-Pathは ohgzwq@umkux.org となっています。
送信元サーバーも調べてみます。
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Received: from umkux.org (unknown [180.235.138.137]) |
180.235.138.137というIPアドレスが出てきました。
これを調べてみると、
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inetnum: 180.235.138.0 - 180.235.138.255 netname: XTOM-HKG descr: xTom country: HK → (香港) admin-c: XHKL2-AP tech-c: XHKL2-AP abuse-c: AX77-AP status: ALLOCATED NON-PORTABLE mnt-by: MAINT-XTOM-HK mnt-irt: IRT-XTOM-HK last-modified: 2020-06-23T06:03:12Z source: APNIC |
香港のIPアドレスのようです。
次に、メールのリンク先を調べてみます。
1 |
<A href="d01-7563215-7636321-amazon.com" |
となっており、amazonではないがamazonに似せたドメインを使用しています。
このドメインのwhois情報を調べてみると、
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Domain Name: d01-7563215-7636321-amazon.com Registry Domain ID: 2493978380_DOMAIN_COM-VRSN Registrar WHOIS Server: whois.godaddy.com Registrar URL: http://www.godaddy.com Updated Date: 2020-02-18T16:23:39Z Creation Date: 2020-02-18T16:23:38Z Registrar Registration Expiration Date: 2021-02-18T16:23:38Z Registrar: GoDaddy.com, LLC Registrar IANA ID: 146 Registrar Abuse Contact Email: abuse@godaddy.com Registrar Abuse Contact Phone: +1.4806242505 Domain Status: clientTransferProhibited http://www.icann.org/epp#clientTransferProhibited Domain Status: clientUpdateProhibited http://www.icann.org/epp#clientUpdateProhibited Domain Status: clientRenewProhibited http://www.icann.org/epp#clientRenewProhibited Domain Status: clientDeleteProhibited http://www.icann.org/epp#clientDeleteProhibited Registrant Organization: Registrant State/Province: Anhui Registrant Country: CN Registrant Email: Select Contact Domain Holder link at https://www.godaddy.com/whois/results.aspx?domain=d01-7563215-7636321-amazon.com Admin Email: Select Contact Domain Holder link at https://www.godaddy.com/whois/results.aspx?domain=d01-7563215-7636321-amazon.com Tech Email: Select Contact Domain Holder link at https://www.godaddy.com/whois/results.aspx?domain=d01-7563215-7636321-amazon.com Name Server: NS75.DOMAINCONTROL.COM Name Server: NS76.DOMAINCONTROL.COM DNSSEC: unsigned URL of the ICANN WHOIS Data Problem Reporting System: http://wdprs.internic.net/ >>> Last update of WHOIS database: 2020-07-09T08:00:00Z <<< |
登録された国は中国のようです。
さて、安全を担保してこのアドレスにアクセスしてみます。
するとリダイレクトされ、http://14.63.170.28/配下に転送されます。
このIPアドレスを調べてみると、
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inetnum: 14.32.0.0 - 14.95.255.255 netname: KORNET descr: Korea Telecom admin-c: IM667-AP tech-c: IM667-AP country: KR → (韓国) status: ALLOCATED PORTABLE mnt-by: MNT-KRNIC-AP mnt-irt: IRT-KRNIC-KR last-modified: 2017-03-30T06:39:01Z source: APNIC |
韓国のサーバーであることが分かります。
アクセスすると、
このように偽のAmazonログイン画面が運用されており、フィッシング詐欺サイトであることが分かります。
「1回限りの Amazon アカウント仮パスワード」というメールはフィッシング詐欺
「1回限りの Amazon アカウント仮パスワード」というメールはフィッシング詐欺です。
このメールは、Amazon.co.jpという送信者名になっていますが、実際には香港のサーバーから送信されている偽のメールです。
リンクの誘導先ドメインを取得したのは中国国内、そして韓国のサーバーを利用して偽のAmazonのフィッシング詐欺サイトを運用しています。
くれぐれもアカウント情報や個人情報、クレジットカード情報を入力しないようご注意ください。
Amazonを騙るフィッシング詐欺メールの確実な見分け方
Amazonを騙るフィッシング詐欺メールの確実な見分け方について、以下の記事で紹介しています。
見分けにくいケースでも安全に、そして確実な判断が可能です。
2023.03.29 →Amazonからの重要なメール というメールがフィッシング詐欺か検証する
2022.12.09 →Amazonプライムの自動更新設定を解除いたしました!というメールがフィッシング詐欺か検証する(2022年版)
2022.12.01 →【重要】異常な行為が検出 というメールがフィッシング詐欺かを検証する
2022.11.28 →Amazon.co.jpでのご注文250-2699837-7340666 というメールがフィッシング詐欺か検証する。
2022.11.25 →【Amazon】重要なお知らせ というメールがフィッシング詐欺かを検証する
2022.11.22 →Amazon株式会社から緊急のご連絡メ-ル番号:23083053 というメールがフィッシング詐欺か検証する
2022.11.08 →amazon.co.jp: アクションが必要です: サインイン試行 番号:851252112741というメールがフィッシング詐欺か検証する
2022.09.30 →Amazon.co.jpをご利用いただきありがとうございます、というメールがフィッシング詐欺か検証する
2022.09.28 →お客様のお支払い方法が承認されません.番号:671348というメールがフィッシング詐欺か検証する
2022.09.22 →Amazon.co.jp 第三者による不正使用の可能性を検知というメールがフィッシング詐欺か検証する
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カテゴリ:フィッシング
タグ:Amazon,スパムメール,フィッシング詐欺