レジデンシャルプロキシIPとは
レジデンシャルプロキシ(Residential Proxy)サービスは、VPN(Virtual Private Network)サービスと類似した匿名化通信の手段として近年急速に増加しています。レジデンシャルプロキシを介してWebシステムへアクセスした場合、送信者の本来のIPアドレスが隠蔽され、通信相手のサーバーには実在する他人の一般家庭用のIPアドレス(住宅用ブロードバンド回線やモバイル回線など)が記録されます。
これにより、攻撃者はセキュリティシステムによるアクセスブロックを容易にすり抜けることが可能となります。インターネットバンキングの不正送金やリスト型アカウントハックなどのサイバー犯罪において、「目隠し」として悪用されるケースが増えていると指摘されています。
2026年7月21日には、総務省、警察庁、および国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が共同で「家庭用IoT機器を悪用するレジデンシャルプロキシの現状」をまとめたファクトシートを公表しており、官民一体となった能動的サイバー防御と技術的抑止が求められています。
調査結果に見るレジデンシャルプロキシIPの実態
1. 国ごとの含有率
Geolocation Technologyが収集したレジデンシャルプロキシIPの国別比率では、United States(米国)が最も多く約40%を占め、次いでRussia(ロシア)が約15%という結果でした。日本のレジデンシャルプロキシIPの含有率は全体の約1%となっています。
2. 「どこどこJP」アクセスログ内の含有率
同社のIP Geolocation API「どこどこJP」のアクセスログ内において、過去にレジデンシャルプロキシIPとして利用されたユニークIPアドレスがどの程度含まれているかを分析しました。その結果、分析期間中に「どこどこJP」が記録した全ユニークIPアドレス数のうち、約0.36%が過去にレジデンシャルプロキシとして稼働・悪用された履歴を持つIPアドレスであったと報告されています。
この含有率は、実際にアクセスがあったIPがアクセスした瞬間にレジデンシャルプロキシサービスをリアルタイムに経由していたかどうかを断定するものではなく、過去に当該サービスの中継ノードとして利用された実績が確認されている高リスクIPを集計したものです。
3. サイト規模による含有率
アクセスの多い大規模なWebサイトと、アクセスの少ない小規模なWebサイトとで、レジデンシャルプロキシIPの含有率に違いがあるかどうかも調査されました。結果として、Webサイトのアクセス規模に関わらず、すべてのサイトにおいて一定割合(平均約0.36%、最大で数%)のレジデンシャルプロキシIP(過去に使用実績のあるIP)が含まれていることが確認されました。
これは、サイバー攻撃者が攻撃対象を大企業や金融機関に限定しているわけではなく、あらゆるWebサイト、問い合わせフォーム、ECサイト等へ無差別にレジデンシャルプロキシを経由してアクセスを試みている実態を示唆しています。このため、Webサイトを運営するすべての企業において、規模の大小にかかわらずなりすましやボットアクセス対策の検討が急務であると同社は指摘しています。
「どこどこJP」におけるレジデンシャルプロキシIPの取り扱い
Geolocation Technologyでは、レジデンシャルプロキシIPを匿名ネットワークデータとして収集しています。これらのIPアドレスには、匿名データのInfo属性に対して「Paid Proxy」の属性を付与しており、「どこどこJP」の匿名ネットワークデータでは、モバイル、レジデント、ISP、データセンターをまとめてPaid Proxy属性として付与しています。
同社は今後も、IPアドレスに関するデータの収集・整備を進め、サービスの充実に取り組むとしています。
本調査の詳細については、以下の記事にて公開されています。
- SURFPOINT™ ナレッジセンター新着記事:『レジデンシャルプロキシとは?その脅威とSURFPOINT™データベースによる不正アクセス対策』
URL: https://knowledge.surfpoint.jp/knowledge/ip-residential/
ソース元
ページタイトル: コアデータベース「SURFPOINT™」を活用した「どこどこJP」のアクセスログ内で、過去にレジデンシャルプロキシとして利用されたIPを0.36%確認
URL: https://www.geolocation.co.jp/
