SLING、対話型AI「ROSE AI」と国内ガイドライン対応でTPRMプラットフォームを大幅拡張
サイバー脅威インテリジェンス(CTI)およびサードパーティリスク管理(TPRM)ソリューションを提供するKELA株式会社は、グループ会社であるSLINGが開発するTPRMプラットフォームの大型アップデートを発表しました。今回の最新リリースでは、独自の対話型AI機能「ROSE AI」が実装され、経済産業省および金融庁の最新サイバーセキュリティ指針に対応する機能も統合されたといいます。さらに、大手企業グループやMSSP向けの「マルチテナント管理パネル」も新たに加わり、企業サプライチェーン全体のサイバーリスク対処能力が強化される見込みです。
サプライチェーン攻撃の現状とAI脅威の急増
AIを活用したサイバー攻撃が高度化する中、委託先やサプライヤーといったサードパーティを標的としたサプライチェーン攻撃が日本国内で急増しています。グローバルな調査によると、CISOの約60%が過去1年間でサードパーティに起因するインシデントが増加したと回答しています。また、KELAのCyber Intelligence Center(CIC)の観測では、AI悪用型サイバー犯罪に関連するランサムウェア被害件数が前年比で約389%増を記録しました。脆弱性の発見から実際の攻撃に至るまでの時間は、従来の数か月から「数時間」へと大幅に短縮されている状況です。
国内においても、主要インフラ拠点における運行停止や大手食品・飲料メーカーでの出荷停止、さらには大手食品物流企業における数千社に及ぶパートナー企業への影響など、サプライチェーンを標的とした攻撃事例が相次いでいます。これは、1社の主要サプライヤーや委託先が侵害されることで、ビジネスエコシステム全体に甚大な被害の連鎖をもたらす実態を示しています。
ダークウェブ・インテリジェンスによるリアルタイムTPRM
SLINGは、企業が依存するサプライチェーン全体のリスクを継続的に監視することで、これらの課題解決を目指しています。同社のプラットフォームは、アタックサーフェスマネジメント(ASM)とKELA独自の脅威インテリジェンス(CTI)、そしてダークウェブ監視を融合。これにより、客観的かつリアルタイムなリスク評価スコア「Sling Score」およびアラート情報を提供しています。
その実効性は、脅威アクターグループ「ShinyHunters」による大手グローバルプロフェッショナルサービスファームへのサイバー攻撃において実証されました。SLINGは継続的なASM監視とKELAのリアルタイムCTIデータを組み合わせ、サードパーティが悪用される前に脅威の兆候や侵害指標(IoC)をリアルタイムアラートとして顧客に通知し、能動的な防御を実現したとしています。
主要な新機能:日本企業向けに最適化
今回のリリースでは、従来のコアプラットフォームに加え、日本企業向けに最適化された四つの主要機能が正式に提供されます。
経済産業省・金融庁ガイドライン対応アンケート機能
経済産業省のガイドラインおよび金融庁の「サイバーセキュリティセルフアセスメント点検票」に準拠したアンケート機能が搭載されました。プラットフォーム上から問診票を直接送付・回収でき、その結果とSLINGの技術的スコア(Sling Score)を同一画面で一元管理できるようになっています。
マルチテナント管理パネル
エンタープライズグループ企業、持ち株会社、マネージド・セキュリティ・サービス・プロバイダー(MSSP)向けに開発された管理機能です。テナントごとに分離されたアクセス制御のもと、複数の子会社や顧客企業のリスクを、危険度・事業重要度・部門別に一元管理することが可能になります。
「ROSE AI」によるAIネイティブな脅威分析
プラットフォームにネイティブ統合された対話型AIアシスタント「ROSE AI」は、複雑な脅威の検出結果を平易な言葉に翻訳し、危険度や文脈(コンテキスト)を解説します。また、優先度の高い具体的な修復ステップを即座に提示する機能も備えています。
日本語ネイティブなユーザー体験
ユーザーインターフェース(UI)、セキュリティアラート、ROSE AIの応答、経営層向けレポートに至るまで完全に日本語化されました。これにより、言語の壁が取り払われ、国内のSOCやリスク管理チームの運用負担が大幅に削減されると見られています。
今後の製品ロードマップ
SLINGはサプライチェーンのレジリエンス(回復力)を継続的に強化するため、以下の機能を順次展開する予定です。
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AI自動生成リスクレポート(現在ベータ版、来月一般提供開始):統合されたLLMを活用し、ビジネス文脈に合わせた経営層向けのサマリーや分析結果を文章で自動生成します。
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サプライヤー自動発見(Autodiscovery):企業のデジタルアセット情報から、AIが3rdパーティおよび4thパーティ(委託先の委託先)との連携関係をマッピングし、サプライチェーン全体を可視化します。
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事業継続性および財務インパクト分析:サードパーティリスクが事業継続や売上高に及ぼす潜在的な財務・運用上の影響を数値化する定量モデルを提供します。
SLINGのウリ・コーエンCEOは、「現代企業の境界線は、自社ネットワークの枠を超え、接続されているすべてのサプライヤー、パートナー、サービスプロバイダーにまで広がっています。攻撃者はAIを駆使し、サプライチェーンの最も弱い『結び目』を狙っています。KELAが誇る高度な脅威インテリジェンスと最新のAI分析を組み合わせることで、SLINGは日本企業にリアルタイムの可視性と実行力を提供し、インシデントが発生する前にサプライチェーン・サイバーリスクを無効化できるよう貢献してまいります」とコメントしています。
KELA株式会社について
KELA株式会社(本社:東京都千代田区、事業拠点:東京都港区)は、サイバー脅威インテリジェンス企業としてサイバー犯罪のアンダーグラウンドからの脅威に対し、実用的なインテリジェンスを提供し、サイバー攻撃の防止と無力化をサポートしています。同社は2009年に設立され、独自の自動化テクノロジーと高度な技術を持つサイバーインテリジェンスアナリストを擁しています。KELAのテクノロジーは、隠れたアンダーグラウンドに侵入し、脅威を徹底的に監視、追跡、調査することで実際のリスクを明らかにし、プロアクティブな保護を可能にするといいます。
KELAグループのULTRA REDおよびSLINGの詳細は、以下のウェブサイトにて確認できます。
ソース元
KELA株式会社: https://www.kelacyber.com/ja/
