企業動向

ネットワークセキュリティ市場、2035年には約1,177億米ドル規模に拡大予測か AIインフラと5G普及が牽引


SDKI Analyticsが実施した最新の調査によると、世界のネットワークセキュリティ市場は2025年の約329億米ドルから、2035年には約1,177億米ドル規模へ成長する見込みです。年平均成長率(CAGR)は約13.6%と予測されており、AIインフラの急速な拡大と、モバイルおよび5Gエンドポイントの普及が主な成長要因として挙げられています。

ネットワークセキュリティ市場、約13.6%の年平均成長率で拡大予測

SDKI Analyticsの調査結果は、ネットワークセキュリティ市場が堅調な成長を続けることを示しています。2025年には約329億米ドルの市場規模であった同市場は、2035年には約1,177億米ドルに達すると予測されています。この成長は、予測期間を通じて年平均成長率(CAGR)約13.6%で進むと見込まれています。

ネットワークセキュリティ市場の市場規模予測とセグメンテーション

AIインフラ拡大とコネクテッド・エンドポイント普及が成長を牽引

ネットワークセキュリティ市場の成長を支える主要因として、AIインフラの拡大とコネクテッド・エンドポイントの急速な普及が挙げられています。

AIコンピューティングインフラの構築が加速する中で、分散型かつデータ集約型のネットワーク環境が形成されています。これにより、高度なトラフィック可視化やアクセス制御、脅威検知といったセキュリティ要件が高まっています。例えば、NVIDIAのデータセンター部門の収益は、生成AIアプリケーションへの需要に牽引され、2025年度には前年比142%増の約1,152億米ドルに達しました。また、Microsoftは2025年度にAI対応データセンターを世界中で構築するため、約800億米ドルを投資する計画を進めていると発表しています。こうした大規模な展開は、ネットワークトラフィックの量と複雑さを増大させ、高度なネットワークセキュリティソリューションへの需要を後押ししていると見られています。

同時に、モバイル接続の継続的な拡大も市場に影響を与えています。国際電気通信連合(ITU)のデータによると、2025年の世界のモバイル携帯電話契約数は約92億件に達し、これは人口100人あたり約112件の契約に相当するといいます。また、5G契約は世界のモバイルブロードバンド契約全体の約3分の1を占め、5Gネットワークは世界人口の約55%をカバーするに至りました。スマートフォンやIoTデバイス、エッジシステムといった多様なエンドポイントへの接続性拡大は、組織が直面する攻撃対象領域を広げており、ネットワークセグメンテーションやセキュアアクセス、ID管理、ファイアウォール技術、継続的な脅威監視に対する需要を高めています。

最新の市場動向:AIを活用したセキュリティシステムと日本の戦略

ネットワークセキュリティ市場では、技術革新と政策的な動きが活発です。

2026年5月、MicrosoftはAIを活用した新たな自律型セキュリティシステムを発表しました。このシステムは、Windowsのネットワークおよび認証スタック全体で16件の脆弱性を特定し、その中にはWindows TCP/IPスタックなどに影響を及ぼす4件の重大な「リモートコード実行(RCE)」の脆弱性が含まれていたといいます。同社の「MDASH」システムは、100以上の専門的なAIエージェントを用いて脆弱性の発見と検証を行うもので、ネットワークセキュリティにおけるAIの統合が進んでいることを示唆しています。

一方、日本では2025年3月、経済産業省が「サイバーセキュリティ産業の活性化に向けた戦略」を公表しました。この戦略では、国内のサイバーセキュリティ製品・サービスのエコシステム強化を目指し、政府機関による国内スタートアップ開発製品の試行導入や研究開発(R&D)支援の拡充、セキュリティベンダーとシステムインテグレーター(SIer)との連携強化などが掲げられています。経済産業省は、国内サイバーセキュリティ産業の売上高を10年間で約0.9兆円から3兆円超へと拡大するという長期目標を策定しました。

次世代ファイアウォール(NGFW)が市場を主導

市場セグメンテーションを見ると、ファイアウォールソリューションの区分では、次世代ファイアウォール(NGFW)が2035年までに市場シェアの約65%を占め、主要なセグメントとなると予測されています。NGFWソリューションは、従来のファイアウォール機能に加え、ディープパケットインスペクション(DPI)や侵入防止、アプリケーション認識、高度なトラフィック可視化といった機能を提供します。ランサムウェアの脅威や分散型攻撃の増加、そして攻撃者の高度化に伴い、企業によるNGFW技術の導入が進んでいるといいます。世界経済フォーラムのサイバーセキュリティ評価でも、ランサムウェアによるインシデントが世界的に増加傾向にあることが指摘されており、次世代の境界型セキュリティに対する需要をさらに高めていると見られています。

地域別分析:北米が牽引、アジア太平洋地域と日本市場も成長

地域別の市場分析では、北米が世界の収益の約34%以上を占め、引き続き最大の市場シェアを維持すると予測されています。同地域が市場を主導する背景には、高度なサイバーセキュリティ技術の早期導入、大規模なクラウドインフラ、成熟したサイバーセキュリティエコシステム、そして企業の支出拡大といった要因があります。連邦捜査局(FBI)のインターネット犯罪苦情センター(IC3)の報告によると、2024年にはフィッシングやなりすましに関する苦情が約193,407件寄せられており、サイバー脅威の増大がセキュリティ投資を強化する要因となっています。

アジア太平洋地域は、予測期間中に最も高い成長率を記録すると見込まれています。日本のネットワークセキュリティ市場も、サイバー攻撃の増加、急速なクラウド移行、5Gの導入、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進を背景に、予測期間中に年平均成長率(CAGR)約13.3%で成長すると予測されています。情報通信研究機構(NICT)によれば、2025年のサイバー攻撃関連の通信量は約7,010億パケットに達し、観測開始以来最多を記録したとされています。こうした状況を受け、日本の企業や政府機関の間では、高度なネットワーク監視、AIを活用した脅威検知、クラウドセキュリティソリューションに対する需要が高まっています。

ネットワークセキュリティ市場の主要企業

SDKI Analyticsの調査レポートには、世界のネットワークセキュリティ市場における主要企業として、Palo Alto Networks、Cisco Systems、Fortinet、CrowdStrike、Check Point Softwareなどが挙げられています。日本市場においては、Trend Micro、NEC Corporation、NTT Security Holdings、Fujitsu Limited、Hitachi Ltd.が上位5社として記載されています。


ソース元

ページタイトル: ネットワークセキュリティ市場 傾向、需要、成長分析、および2026-2035年の予測
URL: https://www.sdki.jp/reports/network-security-market/590642425

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