Kトラスト、情報漏洩後の被害を抑制する新セキュリティ理論で6件目の特許取得
株式会社Kトラスト(所在地:愛知県名古屋市守山区)は、情報漏洩そのものの防止に加え、漏洩した情報が悪用された際の二次・三次被害を抑制することを目指す次世代セキュリティ構想「無数鍵多重時変成立点理論」において、6件目となる特許権の設定登録が完了したと2026年8月13日に発表しました。今回登録された特許は、特許第7896833号「情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、及び情報処理システム」です。同社は現在までに、関連する考案出願審査で約17件の特許査定を受けており、そのうち約6件について特許権設定登録を完了しています。
「漏らさない」から「漏れても使わせない」未来へ
インターネット社会では、企業や金融機関などあらゆる場所で大量の情報が保存されています。情報漏洩を防ぐことは極めて重要ですが、現代のサイバー犯罪では、漏洩した情報がフィッシング詐欺、なりすまし、不正送金、不正購入といった次の犯罪へと再利用される危険性があります。同社は、情報が漏洩したか否かだけでなく、「漏洩した情報だけで次の攻撃を成立させられるか」という点こそが本質的な問題であると指摘しています。
同社が目指すのは、情報漏洩そのものをなくす理想に加え、「漏れても成立させない」という第二の防御線を社会に加えることです。これにより、情報漏洩から始まる二次・三次被害の抑制を社会基盤として実現することを目指しています。
人間への負担を減らし、システム側で複雑性を担う
現在の認証システムでは、利用者に「長いパスワード」「異なるパスワードの使い回し禁止」「定期的な変更」といった負担を求める傾向があります。これにより、利用者がパスワードを忘れたり、単純化したりするなどの別の問題が生じることもあります。
「無数鍵多重時変成立点理論」は、「人間を複雑にする」のではなく、「システム側を複雑・動的にする」という考え方を提唱しています。単純な暗証情報でも安全性が保たれるという意味ではなく、暗証情報そのものの文字数や複雑性だけに安全性を依存させないことがポイントです。複数の情報や条件を利用し、その一部の役割を時間とともに変化させ、短期間だけ有効な識別情報を生成します。必要な条件が揃ったときだけ重要な処理を成立させ、一度成立したり時間が経過したり、あるいは未成立が確定した場合には、短期識別情報を失効させる構造です。これにより、人間側に過度な記憶負担を要求せず、システム側で安全性を高める方向を目指します。
多重かつ動的な「成立点」がカギ
同理論では、1個の鍵だけで最後まで進める従来の構造に対し、複数の成立条件を設け、それぞれを短期化・時変化させることで「1つ突破された=全部突破された」という構造からの脱却を図ります。単純に鍵を増やすだけでなく、「複数化 × 短期化 × 時変化 × 失効」を組み合わせることで、システム側で成立条件を動かすことが重要とされています。
この考え方を発展させると、認証を入口の1回だけで終わらせないシステム設計も可能になります。例えば、ログイン後に異常検知や端末確認を行い、重要処理の直前で再度、人による成立確認を行うといった多段構造です。これにより、仮に最初の認証が突破された場合でも、その先へ連続して進むことを困難にします。
サーバー攻撃やマルウェアへの追加防御層としても、この多重・多段成立の考え方を応用できます。各段階の間に、端末状態確認、通信状態確認、マルウェア・異常挙動検査、AIによる異常検知などを組み合わせることで、「処理が続く限り、防御も続く」という発想への転換を図ります。
「成立しなかった」記録も残す重要性
今回登録された特許技術では、外部から要求された重要な確定処理について、入力データを複数のブロックに分け、時間窓ごとに役割を抽選し、短期識別子を生成します。そして成立条件を判定し、条件が成立した場合に「成立点」として確定処理を実行し、不成立の場合には「未成立最終地点」として終了させます。その結果、拠点、地点、経路、時刻を証跡として記録する技術構成が採用されています。
この技術のもう一つの特徴は、条件を満たさず重要処理が実行されなかった場合も「未成立最終地点」として確定し、その事実を証跡として残す構造です。これにより、「実行された」だけでなく、「ここまで来たが、重要処理は実行されなかった」という事実も後から検証可能となり、金融、行政、企業監査、事故調査、サイバーセキュリティなど、説明責任が求められる領域で重要な意味を持つとしています。
同社は、「パスワードを守る時代は終わり、攻撃を成立させない認証へ」というメッセージを掲げ、人がより安心してデジタル社会を利用できる新しい安全基盤の構築を目指し、研究・実装・検証・社会実装を進めていくとしています。
Kトラストの「無数鍵多重時変成立点理論」に関する詳細は、以下の動画でも確認できます。
ソース元
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ページタイトル: 情報漏洩をなくす未来だけではなく、「漏洩しても次の被害につなげない未来」を目指す「無数鍵多重時変成立点理論」6件目の特許取得
