「Amazonアカウントを利用制限しています」というメールがフィッシング詐欺か検証する
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「Amazonアカウントを利用制限しています」というメールがフィッシング詐欺か検証してみます。
プライバシーポリシーの改定したのでAmazonアカウント情報の確認をしてほしい、といった内容です。
文面は以下の通りです。
最近行われましたプライバシーポリシーの改定に伴いまして、お客様の Amazon アカウント情報のご確認をお願い致したく、よろしくお願い申し上げます。
ご確認のお手続きは、一回限りで、数分で終了致します。お客様によるご確認行為は必須となっており、お客様のアカウント情報のご確認が行われなかった場合は、アカウントが停止される可能性がございます。
この確認は義務付けられており、確認していただけない場合は、アカウントが停止される場合もあります。
続けるにはこちらをクリック
お客様のセキュリティは弊社にとって非常に重要なものでございます。
ご理解の程、よろしくお願い申し上げます。
Amazon.co.jp
まず送信元を確認します。
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From: Amazon <tumhuwrutn@amazon.co.jp> Return-Path: <tumhuwrutn@amazon.co.jp> |
送信者名はAmazonとなっており、送信元メールアドレス、Return-Pathともにtumhuwrutn@amazon.co.jpというメールアドレスが設定されています。
送信サーバーを調べてみると、
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Received: from amazon.co.jp (v133-130-48-159.a005.g.tyo1.static.conoha.io [133.130.48.159]) |
となっており、Amazon.co.jpとなっていますが、実態は日本のconohaサーバーのIPアドレスでした。
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a. [IPネットワークアドレス] 133.130.48.0/23 (マスク範囲) b. [ネットワーク名] CONOHA-JP f. [組織名] GMOインターネット g. [Organization] GMO Internet, Inc. m. [管理者連絡窓口] JP00080271 n. [技術連絡担当者] JP00080271 p. [ネームサーバ] ns-a1.conoha.io p. [ネームサーバ] ns-a2.conoha.io p. [ネームサーバ] ns-a3.conoha.io [割当年月日] 2015/04/24 [返却年月日] [最終更新] 2015/07/03 02:05:05(JST) |
次にリンク誘導先を調べてみます。
メール本文はBase64でエンコードされていますので、デコードします。
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<A id=yui_3_2_0_1_15855002758652114 href="http://amazon.co.jp.op8564687153d132k57e876tw5h12213rtj68r7863edg412r31sh3t54i86y[.]buzz/" rel=nofollow target=_blank>続けるにはこちらをクリック</A> |
http://amazon.co.jp.op8564687153d132k57e876tw5h12213rtj68r7863edg412r31sh3t54i86y[.]buzzというリンク先に誘導しようとしています。
amazon.co.jp.op8564687153d132k57e876tw5h12213rtj68r7863edg412r31sh3t54i86y[.]buzzはop8564687153d132k57e876tw5h12213rtj68r7863edg412r31sh3t54i86y[.]buzzのサブドメインです。
このドメインのWhois情報を調べてみます。
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Domain Name: op8564687153d132k57e876tw5h12213rtj68r7863edg412r31sh3t54i86y.buzz Registry Domain ID: DD6BCCB54417A4416A9AA1E9FC64ED1F1-NSR Registrar WHOIS Server: whois.namesilo.com Registrar URL: https://www.namesilo.com/ Updated Date: 2020-04-21T07:00:00Z Creation Date: 2020-04-14T07:00:00Z Registrar Registration Expiration Date: 2021-04-14T07:00:00Z Registrar: NameSilo, LLC Registrar IANA ID: 1479 Registrar Abuse Contact Email: abuse@namesilo.com Registrar Abuse Contact Phone: +1.4805240066 Domain Status: clientTransferProhibited https://www.icann.org/epp#clientTransferProhibited Registry Registrant ID: Registrant Name: Domain Administrator Registrant Organization: See PrivacyGuardian.org Registrant Street: 1928 E. Highland Ave. Ste F104 PMB# 255 Registrant City: Phoenix Registrant State/Province: AZ Registrant Postal Code: 85016 Registrant Country: US Registrant Phone: +1.3478717726 Registrant Phone Ext: Registrant Fax: Registrant Fax Ext: Registrant Email: pw-193cccaeeb22283055ed6b6bf3faecde@privacyguardian.org |
プライバシーサービスで保護されているようです。
安全を担保してこのURLにアクセスしてみます。
すると、偽のAmazonのログイン画面が現れました。
しかしながらある条件でアクセスすると、中国の検索エンジン、百度(バイドゥ)にリダイレクトされます。
リファラによって切り替えているようです。
IPアドレスは104.28.22.15ですが、これはCLOUDFLAREのIPアドレスです。
つまり直接のサーバーにアクセスできないことになり、追跡ができません。
「Amazonアカウントを利用制限しています」というメールはフィッシング詐欺です
「Amazonアカウントを利用制限しています」というメールはフィッシング詐欺です。
Amazonを騙っていますが、実際は日本のconohaサーバーから送信されています。
またリンクの誘導先もAmazonとは関係のないリンク先であり、ドメイン・サーバー共に追跡ができないようになっています。
またアクセス元によって表示を切り替えており、特定の条件下では中国の百度(バイドゥ)という検索エンジンのトップ画面に転送されます。
リンク先では現在も偽のAmazonログイン画面が存在することを確認していますので、くれぐれもログイン情報などを入力しないようにしてください。
Amazonを騙るフィッシング詐欺メールの確実な見分け方
Amazonを騙るフィッシング詐欺メールの確実な見分け方について、以下の記事で紹介しています。
見分けにくいケースでも安全に、そして確実な判断が可能です。
2023.03.29 →Amazonからの重要なメール というメールがフィッシング詐欺か検証する
2022.12.09 →Amazonプライムの自動更新設定を解除いたしました!というメールがフィッシング詐欺か検証する(2022年版)
2022.12.01 →【重要】異常な行為が検出 というメールがフィッシング詐欺かを検証する
2022.11.28 →Amazon.co.jpでのご注文250-2699837-7340666 というメールがフィッシング詐欺か検証する。
2022.11.25 →【Amazon】重要なお知らせ というメールがフィッシング詐欺かを検証する
2022.11.22 →Amazon株式会社から緊急のご連絡メ-ル番号:23083053 というメールがフィッシング詐欺か検証する
2022.11.08 →amazon.co.jp: アクションが必要です: サインイン試行 番号:851252112741というメールがフィッシング詐欺か検証する
2022.09.30 →Amazon.co.jpをご利用いただきありがとうございます、というメールがフィッシング詐欺か検証する
2022.09.28 →お客様のお支払い方法が承認されません.番号:671348というメールがフィッシング詐欺か検証する
2022.09.22 →Amazon.co.jp 第三者による不正使用の可能性を検知というメールがフィッシング詐欺か検証する
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カテゴリ:フィッシング
タグ:Amazon,スパムメール,フィッシング詐欺,百度