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ネットワークセキュリティファイアウォール市場、2035年に約2.2兆円規模へ拡大か AI・次世代技術が成長を牽引


ネットワークセキュリティファイアウォール市場が、2035年までに229億7,000万米ドル(約2.2兆円)に達するとの予測が発表されました。サイバー攻撃の高度化やクラウド利用の拡大を背景に、AIや次世代ファイアウォールへの需要が市場成長を強力に後押ししています。

ネットワークセキュリティファイアウォール市場、2035年に約2.2兆円規模へ拡大か AI・次世代技術が成長を牽引

ネットワークセキュリティファイアウォール市場は、2025年の84億4,500万米ドル(約8,400億円)から、2035年には229億7,000万米ドル(約2.2兆円)に達する見込みであることが、Report Ocean株式会社の調査により明らかになりました。2026年から2035年にかけての年平均成長率(CAGR)は10.52%と予測されており、サイバー脅威の高度化やデジタルトランスフォーメーションの進展が市場拡大を牽引しているといいます。

ファイアウォールの役割変化と市場成長の背景

企業におけるデジタル基盤の複雑化に伴い、ファイアウォールは単なる境界防御製品から、事業継続性や顧客データ保護、サプライチェーン管理を支える経営インフラへとその位置付けが変化しています。セキュリティ投資は、コスト管理の対象ではなく、事業リスク低減と競争力強化のための戦略投資として捉えられつつあるとしています。

市場成長の背景には、サイバー攻撃手法の高度化、クラウド利用の拡大、リモートワーク環境の普及、企業ネットワークの分散化といった構造変化があります。これにより、多様化するアクセス経路や外部接続環境に対応できる、より高度な監視・制御機能を備えたセキュリティ基盤への需要が高まっています。

ネットワークファイアウォールは、ネットワークに出入りする全てのデータを検査し、定義されたセキュリティ基準を満たさないものを拒否することで、不正アクセス、ハッカー、ウイルス、ワームなどの悪意あるプログラムを遮断します。

高度化する防御ニーズとAI・次世代ファイアウォールの台頭

現代の企業は、ランサムウェア、マルウェア、フィッシング攻撃、高度持続的脅威(APT)、分散型サービス拒否(DDoS)攻撃、内部者による脅威など、多岐にわたるサイバー脅威に直面しています。クラウドコンピューティング、ハイブリッドおよびマルチクラウド環境、リモートワーク、モノのインターネット(IoT)デバイスの普及により攻撃対象領域が大幅に拡大したことで、ディープパケットインスペクション、アプリケーション認識、侵入防止、セキュアWebゲートウェイ、VPN機能、暗号化トラフィック検査などを提供する次世代ファイアウォール(NGFW)ソリューションへの需要が高まっているといいます。

デジタルトランスフォーメーションの取り組み拡大、規制遵守要件の厳格化、ゼロトラストセキュリティアーキテクチャの導入も市場成長を後押ししています。脅威の自動検出、リアルタイムでのポリシー適用、インシデント対応の迅速化を実現するため、ファイアウォールと人工知能(AI)、機械学習(ML)、行動分析、セキュリティオーケストレーションプラットフォームとの統合が進められています。

Firewall-as-a-Service(FWaaS)、Secure Access Service Edge(SASE)、Software-Defined Wide Area Networking(SD-WAN)、クラウドネイティブのファイアウォールソリューションの採用拡大により、組織は分散型ネットワークのセキュリティを確保しつつ、スケーラビリティと運用効率を向上させることが可能になっています。

主要市場の動向と地域別概況

Report Ocean株式会社の調査では、以下の主要な市場動向が指摘されています。

  • ネットワークセキュリティ・ファイアウォール市場は、2025年に84億4,500万米ドルの規模となり、サイバー脅威の増加、デジタルトランスフォーメーション、およびクラウドベースのセキュリティソリューションの導入拡大を背景に、2026年から2035年にかけて年平均成長率(CAGR)10.52%を記録し、2035年には229億7,000万米ドルに達すると予測されています。

  • 2025年には、オンプレミス型導入セグメントが市場を独占しました。これは、優れたデータセキュリティ、規制コンプライアンス、およびファイアウォールインフラに対する完全な制御が可能であるため、BFSI(銀行と金融と保険)、医療、政府、通信など、規制の厳しい業界において好まれる選択肢となっているためです。

  • 欧州は、GDPRとNIS指令などの厳格なサイバーセキュリティ規制、サイバーレジリエンスへの投資拡大、および企業全体でのAI搭載次世代ファイアウォールの普及に支えられ、予測期間中は市場を牽引すると見込まれています。

日本市場における成長機会と課題

日本市場におけるネットワークセキュリティファイアウォール領域の最大の成長機会は、企業のセキュリティ投資が「コスト削減」から「事業継続性を守る戦略投資」へと変化している点にあるといいます。ランサムウェアや標的型攻撃、サプライチェーン攻撃の増加により、企業はより高度な防御機能を備えた次世代ファイアウォール(NGFW)や統合型セキュリティプラットフォームへの移行を進めています。特に、中堅・中小企業でも取引先からのセキュリティ要求や規制対応の必要性が高まっており、幅広い顧客層を獲得できる可能性があります。

クラウドサービス利用拡大に伴い、クラウド型セキュリティサービスも重要な成長分野となっています。企業のITインフラがハイブリッドクラウド、マルチクラウド環境へ移行する中、クラウドファイアウォール、Firewall as a Service(FWaaS)、セキュアアクセスサービスエッジ(SASE)など、新しいセキュリティアーキテクチャへの需要が高まっています。

AIおよび機械学習技術を活用した高度な脅威検知能力も、企業競争力を決定する重要な要素とされています。サイバー攻撃の高度化・自動化に対応するため、リアルタイム分析、異常行動検知、自動レスポンス、脅威インテリジェンス連携などを備えたAI駆動型ファイアウォールへの需要が拡大しています。人材不足に直面する日本企業では、運用効率を高めるAIベースのセキュリティサービスが今後さらに重要な採用基準になると考えられます。

また、製造業のスマートファクトリー化、金融業界の不正アクセス対策、医療分野の患者データ保護、公共分野の重要インフラ防衛など、産業別に異なるセキュリティ課題への対応も求められており、垂直産業向けソリューション展開が大きな成長機会を生み出すとしています。

日本市場で成功するためには、製品性能だけでなく、長期的な運用安定性、国内サポート体制、既存システムとの互換性を重視する法人顧客のニーズに応えることが不可欠です。販売代理店やシステムインテグレーターとの連携、専門人材による導入支援、継続的なアップデート提供が鍵となるといいます。

市場セグメンテーション

Report Ocean株式会社の調査では、ネットワークセキュリティファイアウォール市場は以下のセグメントに分類されています。

  • タイプ別: ネットワークファイアウォール、アプリケーションファイアウォール、次世代ファイアウォール、Webアプリケーションファイアウォール

  • エンドユーザー別: 政府機関、医療、小売、金融サービス、通信

  • 導入形態別: オンプレミス、クラウドベース、ハイブリッド

  • 組織規模別: 中小企業、中堅企業、大企業

競争環境と今後の展望

市場拡大が見込まれる一方で、ネットワークセキュリティファイアウォール分野では競争圧力も強まっています。製品性能の差別化が難しくなる中、クラウド対応力、脅威情報の更新能力、導入後のサポート品質が競争要因になるといいます。企業側では、セキュリティ人材不足、既存システムとの互換性、設定管理の複雑化が導入効果を制限するリスクも存在します。

今後、ネットワークセキュリティファイアウォール市場は、単なるネットワーク防御市場から企業全体のデジタルリスク管理プラットフォーム市場へと発展すると予想されています。革新的な技術と日本市場への適応力を持つ企業に大きな成長余地が存在しているといえるでしょう。

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