暗号化の約89%が業務時間外に実行
同レポートによると、7月の検知データでは、全体の約69%が現地時間午前6時から午後6時の業務時間帯に発生していました。この背景には、フィッシングやソーシャルエンジニアリングといった初期侵入の手口が、利用者の操作を前提としている点、また侵入後の環境偵察が、正規ツールを悪用する「環境寄生型(Living off the Land)」の手法により、日中の業務の中に紛れやすいという二つの理由があるといいます。
しかし、最終段階の暗号化においては、この傾向が逆転します。7月に観測された暗号化イベントの約89%は業務時間外に発生し、その大半が利用者のログオフ中である深夜0時から早朝6時に集中していました。攻撃者は、監視の目が薄くなる時間帯を待って暗号化を実行しているとみられます。
夜間に暗号化が実行されることで、多くの組織では被害の発覚が翌朝の出社時となり、検知から対応までの貴重な時間が失われることになります。監視や初動対応が日中に偏っている組織ほど、この夜間の空白は大きなリスクとなるでしょう。
日中の侵入段階での阻止が鍵
Halcyonのデータでは、7月に観測された攻撃の約99%を初期アクセスや偵察といった初期段階で阻止し、データの窃取や暗号化に至る前に約99.8%以上を阻止したとしています。この結果は、深夜の暗号化を防ぐためには、その前の日中に初期アクセスや偵察の段階で攻撃を捕捉することが最も重要であることを示しています。
対策としては、日中の侵入段階で攻撃を完全に阻止することに加え、夜間は自動で攻撃を遮断できる仕組みを持つことが肝要であると同社は指摘します。Halcyonは、攻撃の準備段階から暗号化の直前まで各段階で防御を張り、多くの製品が見落とす手口も捉えるとしています。初動対応は24時間365日体制のROCが代行し、身代金の支払いや業務中断のリスクを抑えるということです。
ランサムウェアグループ動向:「The Gentlemen」が首位維持
グループ別の攻撃件数ランキングでは、「The Gentlemen(ザ・ジェントルメン)」が約170件で2か月連続の首位となりました。Qilinが2位、DeadLockが新規参入で3位となっています。
ただし、この件数ランキングは世界全体の集計であり、日本企業にとっての危険度と一致するとは限りません。例えば「ランサムハウス(RansomHouse)」は、今月のトップ15には入っていませんが、Halcyonの観測では、同グループが公表した攻撃のうち米国企業を対象としたものは約40%にとどまり、ヨーロッパやアジア各国の企業が標的に含まれ、日本もその中に含まれるとしています。ランキングに名前がないことが、安全を意味するものではないと注意を促しています。
専門家が警鐘、ウェビナーも好評
Halcyon Japanは2026年7月30日、Halcyonランサムウェアリサーチセンター シニアバイスプレジデントで元米連邦捜査局(FBI)サイバー部門幹部のシンシア・カイザー氏を講師に迎え、緊急ウェビナー「ランサムハウス(RansomHouse)とは何者か?日本企業が今取るべきランサムウェア対策」を開催しました。多数の申し込みがあり、当日の参加率は約93%に達したといいます。ウェビナー後のアンケートでは、回答者の約100%が「同様のウェビナーの再開催を希望する」と回答しており、関心の高さがうかがえます。
Halcyon Japanのカントリーマネージャーである露木 正樹氏は、今月のレポートで最も示唆に富むのは攻撃の時間帯であるとコメントしています。攻撃者が日中を選ぶのは、人が端末を操作していなければ成立しない手口であり、また正規ツールを使った偵察が日中の業務に紛れて見えなくなるためと説明しました。しかし、実際に事業を止める暗号化の約89%は業務時間外に実行され、その多くが深夜0時から早朝6時に集中していると指摘。担当者が席にいない時間帯を選んでいるという分析を示し、多くの日本企業でこの時間帯が最も守りが薄くなる傾向にあると述べています。露木氏は、「夜間に人を増やすのではなく、日中の侵入段階で止めきること、そして夜間は自動で遮断し、初動を任せられる体制を持つことが現実的な答えになる」と強調しました。
Halcyonが提供するランサムウェア対策
Halcyonは、ランサムウェアへの耐性を高めることに特化して設計された専用プラットフォームを提供しています。既存のツールでは検知が難しい攻撃を阻止し、万一突破された場合でも数分で復旧することで、事業の継続性を支援するとしています。
Halcyon Japanは、業種・規模を問わずランサムウェア対策を必要とするすべての国内企業に対し、プラットフォームの提供と導入支援を本格化しています。パートナー経由での導入のほか、主要なクラウドプロバイダー経由での調達にも対応しているということです。詳細については、同社のウェブサイトから問い合わせが可能です。
ソース元
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Halcyon Japan株式会社「ROC STARレポート 2026年7月」
https://www.halcyon.ai/jp/webinar/roc-star-report-july-2026 -
Halcyon Japan公式サイト
https://www.halcyon.ai/jp
