企業動向

WordPressサイト、約5件に1件が「10年以上前の部品」搭載か ロケッタが年式診断結果を公開し再点検を呼びかけ


株式会社ロケッタがWordPressサイトの診断結果を公表しました。約3,800回の診断データから、約5件に1件のサイトが10年以上前の古い部品を使い続けている実態が明らかになりました。同社は無料ツール「WordPress年式診断」を提供し、夏季休暇明けのサイト再点検を呼びかけています。

診断されたWordPressサイトの約22%が10年以上前の部品を使用

同社が7月22日に公開した無料ツール「wp2shell影響チェック」は、WordPress本体の緊急脆弱性「wp2shell」の影響を確認する目的で提供されました。8月15日までの間に約3,821回の診断が実施され、その過程でサイトを構成するWordPress本体、テーマ、プラグインのバージョン情報が読み取られました。このデータから、特定の脆弱性への対応にとどまらない、より広範な更新状況の実態が見えてきたといいます。

「年式」(最も古い部品のリリース年)を判定できた約2,155サイトの内訳は以下の通りです。

  • 「最新」と判定されたサイトは約32%。

  • 半数にあたる約50%のサイトは、3年以上前の部品を使用。

  • 約5件に1件、すなわち約22%のサイトは、10年以上前の部品を使用。

この実態を受け、同ツールは特定の脆弱性確認だけでなく、サイト全体の「年式」を診断する「WordPress年式診断」として刷新されています。

WordPress年式診断の診断データ集計結果を示すグラフ。最も古い部品のリリース年で判定されており、2016年以前の古いサイトが22%、最新のサイトが32%を占めていることが分かります。

このひと月で緊急修正が3回 WordPressサイトの更新遅れに警鐘

WordPress本体のセキュリティ修正は、このひと月で3回公開されました。具体的には、7月17日に緊急脆弱性「wp2shell」を修正するバージョン7.0.2、8月6日に約12件の修正を含むバージョン7.0.3(特にPHPコード実行につながりうるXSS「XSS2Shell」が深刻)、そして8月12日にCVE-2026-65640を修正するバージョン7.0.4が公開されています。

これらのうち2本は夏季休暇シーズン中に公開されており、サイト運営者にとっては気づきにくいタイミングであったとしています。背景には、AIが脆弱性の発見を加速させているという変化があり、直近の修正のうち2本はAIで脆弱性を発見するペンテストサービス「pwn.ai」の報告によるものといいます。発見が速くなれば修正の公開も速く、多くなるため、サイト運営者にとって「修正が出たことに気づくまでの時間」が対応の遅れを左右する要因となりつつあります。

「WordPress年式診断」でサイトの現在地を確認、無料・登録不要

同社は、サイトの「年式」を簡単に確認できる「WordPress年式診断」ツールの利用を推奨しています。利用は無料かつ登録不要で、サイトのURLを入力するだけで約10秒で診断結果が表示されます。

この診断では、WordPress本体が直近の緊急セキュリティ修正に追いつけているかどうかも確認可能です。診断の根拠もあわせて表示され、対象サイトへは公開情報の受動的な取得のみを行い、攻撃的なアクセスは一切行わないとしています。

WordPress年式診断の診断結果画面の例。サイトが最新式であり、コア、テーマ、プラグインが全て最新版で、XSS2Shellとwp2shellの脆弱性も対策済みと表示されています。

WordPress年式診断(無料・登録不要):https://check.patchon.jp

緊急更新の見守りサービスも提供、8月19日にはWordPress 7.1公開へ

8月19日には、次のメジャーバージョンであるWordPress 7.1の公開が予定されています。こうした機能中心の定期リリースに加え、緊急のセキュリティ修正も今後不定期に発生する見込みです。

同社は、WordPress本体に重大な緊急更新が出た際に、修正方法つきでメールでお知らせする無料の「緊急更新の見守り」サービスの提供も開始しました。このサービスは重大な緊急更新時のみ通知され、メールアドレスのみで登録可能です。年式診断の結果画面から無料で登録できます。

AIがWordPress更新を自動化、「PatchOn」が守る側の速さを作る

AIによる脆弱性発見や攻撃が加速する現代において、サイトへの更新適用工程の迅速化が課題となっています。WordPress標準の自動更新は、更新によるサイト破損の懸念からオフにされがちですが、その間も修正が適用されるまでの時間は延びていきます。

同社が提供する「WordPress更新代行AI」である「PatchOn」は、更新前にAIが検査することでサイト破損への不安を軽減し、更新時間を短縮するとしています。

「PatchOn」の主な機能は以下の通りです。

  • 事前検査: 本番環境のクローンに更新を適用し、画面をAIが比較して問題がないか検査します。

  • 検査つき自動更新: 全検査をパスした更新のみを本番環境に反映します。

  • AI自動修正: 検査で見つかった原因をAIが修正し、再検査を行います。

  • ワンクリック復元: 自動でバックアップを作成し、万一の際にワンクリックで復元を可能にします。

無料プランでは月1回、有料プランでは週1回に加えて曜日・時間帯の指定も可能であり、プラグインはWordPress.orgで公開されています。

AIがWordPressのプラグインやテーマを自動的に検査・更新するサービス「PatchOn」の紹介画面です。更新管理画面と詳細ログが表示されており、登録不要・無料で利用できることが示されています。

PatchOn(パッチオン):https://patchon.jp

代表コメント

株式会社ロケッタ 代表取締役の清水風音氏は、「サイトの守りは、最も古い部品で決まる」と指摘しています。本体が最新であっても、サイト全体のセキュリティレベルは最も更新が止まった部品の水準まで下がるとし、今回の集計結果が「ごく普通に起きている実態」を示していると述べています。そして、まずは約10秒の診断で自身のサイトの現在地を確認するよう促し、「見つける速さがAIで変わったいま、守る側の速さもAIでつくる。それがPatchOnの役割だと考えている」とコメントしています。

会社概要

  • 会社名:株式会社ロケッタ

  • 代表者:代表取締役 清水 風音

  • 所在地:東京都渋谷区渋谷3-1-9 渋谷YAZAWAビル3階

  • 設立:2015年12月

  • 事業内容:WordPress更新代行AI「PatchOn」の開発・提供

  • HP:https://rocketa.co.jp

ソース

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