企業動向

日本で約1.9億件のCookie流出か、世界524億件超 NordVPN調査で判明


サイバーセキュリティ企業NordVPNの調査チームは、2025年6月から2026年6月までの1年間で、情報窃取型マルウェアによって世界中で524億件を超えるCookieレコードが流出したと発表しました。日本国内においても約1億8,897万件のCookie流出が確認されており、これはパスワードなど他の盗難データ合計の約4.6倍に上ります。この結果は、サイバー攻撃がパスワードだけでなく、すでに認証された「ログイン済みの状態」を狙うセッションハイジャックへと拡大している実態を示しています。

盗難Cookieは他のデータ合計の4.6倍

今回の分析で確認された524億件超のCookieレコードは、オートフィル情報、ファイル、認証情報、パスワード、メールアドレス、決済カード情報など、Cookie以外のデータ種別の合計約114億件の約4.6倍に相当します。

NordVPNのデータ侵害レポートで、1年間のサイバー感染により明らかになった情報漏洩の規模を示しています。クッキー、自動入力項目、パスワード、メールアドレス、決済カードなど、様々な種類のデータが大量に流出したことが数字で示されています。

Cookieは、Webサイトの言語設定や表示設定の保存、アクセス状況の分析に加え、ユーザーのログイン状態を維持するためにも用いられています。すべてのCookieがアカウントへのアクセスに利用できるわけではありませんが、ログイン状態を保持する有効な認証Cookieが盗まれた場合、攻撃者はパスワードや多要素認証を突破することなく、本人になりすましてアクセスする「ログイン済みの鍵」として悪用する可能性があります。

また、NordVPNが保有する別の社内データでは、情報窃取型マルウェアに感染した端末の96.3%にWindows Defenderをはじめとするセキュリティソフトが導入されていたといいます。セキュリティソフトを導入していても感染を完全に防ぐことは難しい場合があり、複数の対策を組み合わせる必要性が指摘されています。

国・地域別ではインドが最多、日本は約1.9億件で43位

情報窃取型マルウェアによるCookieの盗難は、250以上の国・地域で確認されており、世界規模の問題となっています。国・地域別では、インドが最多で約46億8,000万件、次いでブラジルが約28億3,000万件、アメリカ合衆国が約24億3,000万件と続いています。

日本に関連するCookieレコードは約1億8,897万件で、調査対象となった国・地域のうち43位でした。

クッキーが盗まれた場所を国別に示した棒グラフ。インドが最も多く、ブラジル、アメリカが続く。NordVPNのロゴがある。

GoogleやYouTubeなど身近なサービスにも影響

ドメイン別に見ると、Googleに関連するCookieレコードが約5億4,052万件、YouTubeが約3億2,157万件、Bingが約2億1,506万件確認されました。このほか、Microsoft、Facebook、Twitch、TikTok、PayPalなど、日常的に利用されるサービスに関連するCookieも多数含まれていたといいます。

さらに、Cookieレコード数の上位100ドメイン(全分析対象の約51.2%)を集計すると、約5件に1件が分析時点でも有効と判定されました。これらすべてが認証に利用できるわけではありませんが、有効な認証Cookieが含まれていた場合、ログイン状態を悪用される可能性があります。

主要なWebサービスごとのドメイン、Cookieレコード数、および有効率を比較した表です。Googleが最も多くのCookieレコードを持ち、YouTubeとPayPalが有効率で高い数値を示しています。

これまで、アカウントの安全対策では、複雑なパスワードの設定や多要素認証の利用が重視されてきました。しかし、有効な認証Cookieが盗まれた場合、攻撃者はすでに認証を終えた利用者のログイン状態を悪用し、パスワードなどを入力せずにアクセスする可能性があります。こうした行為は「セッションハイジャック」と呼ばれます。

サービスの仕組みによっては、パスワードを変更しても、すでに発行されたセッションが有効なまま残る場合があります。そのため、不審なアクセスやCookieの盗難が疑われる場合は、パスワードを変更するだけでなく、「すべての端末からログアウト」などの機能を使用し、既存のセッションを無効化することが重要です。

NordVPNの最高技術責任者(CTO)であるマリユス・ブリエディス氏は、「サイバー犯罪者が狙っているのは、もはやパスワードだけではありません。ログイン状態を保持するCookieは、すでに認証を済ませたアカウントへアクセスするための“デジタルの鍵”として悪用される可能性があります。Cookieの盗難が疑われる場合は、パスワードを変更するだけでなく、すべての端末からログアウトし、既存のセッションを無効化することが重要です」とコメントしています。

生活者が見直すべき5つの対策

セッションハイジャックのリスクに対応するため、NordVPNは生活者が見直すべき5つの対策を挙げています。

  1. 使っていないサービスからログアウトする
    長期間利用していないサービスにログインしたままにしておくと、盗まれたCookieが悪用される余地が残るため、不要なアカウントは整理し、ログアウトすることが推奨されます。

  2. 不審時は、パスワード変更だけでなく全デバイスからログアウトする
    身に覚えのないログイン通知や操作があった場合は、パスワードを変更するだけでなく、アカウント設定からすべての端末をログアウトすることが求められます。

  3. ブラウザ、OS、拡張機能を最新の状態に保つ
    古いブラウザやOS、不要な拡張機能は、情報窃取型マルウェアや不審なスクリプトの侵入口になることがあるため、使っていない拡張機能は削除し、アップデートを適用することが重要です。

  4. 不審なリンク、非公式ダウンロード、偽アプリを避ける
    無料版、先行アクセス、限定特典などをうたう非公式サイトやアプリには注意が必要です。ログインやダウンロードは、公式サイトや公式アプリストアから行うべきです。

  5. 流出検知やマルウェア対策ツールを活用する
    自身のメールアドレスや認証情報が流出していないかを確認できる機能や、悪意あるサイト、マルウェア、不審なダウンロードを検知するセキュリティ対策ツールを活用することが推奨されます。

調査概要

  • 調査主体: NordVPN調査チーム

  • 分析対象: NordStellar上で確認された、情報窃取型マルウェアに由来する過去の盗難データ

  • 分析期間: 2025年6月9日~2026年6月8日

本リリースにおける「Cookieレコード」とは、情報窃取型マルウェアによって盗まれたデータ内に含まれていた個々のCookieの記録を指し、ユニークユーザー数、被害者数、端末数、アカウント数、感染件数を示すものではありません。同一の利用者や端末、アカウントに関連する複数のCookieが含まれる場合があります。ドメイン別のCookie有効率は、確認可能な範囲で分析時点の状態を調べたものであり、リリース公開時点でも同じ割合で有効であることや、有効と判定されたすべてのCookieが認証に使用できることを示すものではありません。

NordVPNについて

NordVPNは、デジタルプライバシーとセキュリティのためのオールインワンアプリを提供しています。世界最高水準のVPN、次世代アンチウイルス、Dark Web Monitor™などのセキュリティ機能を統合し、ユーザーのオンライン上での安全とプライバシーをサポートしています。フィッシング、詐欺、悪質なウェブサイト、トラッカー、迷惑広告、マルウェアなどの脅威からユーザーを保護し、オンラインプライバシーの強化にも貢献しているといいます。

  • 会社名: NordVPN

  • 本社: Fred. Roeskestraat 115 1076 EE Amsterdam, Netherlands

  • 日本代表: 小原拓郎

詳細は NordVPNウェブサイト を参照ください。


ソース元:
NordVPN調査、日本国内で1.89億件のCookie流出を確認 世界全体では524億件超、他の盗難データ合計の4.6倍に
https://nordvpn.com/ja/blog/stolen-cookies-revealed/

ページトップへ戻る
×