SHIRO & Co.、「Kosuke Protocol」を事業化へ 社会変化を新規事業に変換する独自メソッドとは
東京都に本社を置くSHIRO & Co.は、社会や市場に現れる微細な変化や断片を観測し、それらを事業機会、プロダクト、意思決定システムへと変換する独自メソッド「Kosuke Protocol」の事業展開を2026年に開始すると発表しました。同プロトコルは現在、商標登録出願中(商願2026-88578)とされています。
この発表は、個別のAIアプリを販売するものではありません。SHIRO & Co.が継続的に運営するObservatory NetworkとKosuke Protocolを接続し、観測された変化から新しい問い、事業機会、プロダクト、意思決定システムを継続的に生み出す知的基盤を、企業・研究機関・行政機関などが導入、共同開発、ライセンスできる形で提供していくとしています。
同社の基本思想は、「私たちは、プロダクトから始めない。断片から始める。」という一文に集約されます。AIが直接答えを出すのではなく、「意味が立ち上がる工程」そのものを設計対象としている点が特徴です。
「意味形成」の工程を設計する独自プロトコル
Kosuke Protocolの共通フローは、「Fragment → Observation → Connection → Meaning → Form」という5段階で構成されます。断片を観測し、関係を見つけ、構造を読み、意味を形成し、用途に応じた形へ変換するものです。ここでいう「Form」とは、最終的な出力形式を先に定めないという考え方であり、企業向け提案、意思決定システム、市場観測、消費者向けAI体験、教育、出版、フィクションなど、同じ知的基盤から多様な形が生まれると説明されています。
同社は、Kosuke Protocolを単一の完成アプリとして提供するのではなく、それぞれの企業や組織が持つ知識、判断基準、顧客文脈、観測データに応じて実装を進めています。具体的な展開方法として、企業固有の判断能力をプロトコルとして実装する「Private Protocol」、文書化・ソフトウェア化済みの範囲を提供する「ライセンス」、特定産業や企業課題を対象に共同で設計する「共同開発」の3つが挙げられています。
法人領域における主要な実装例
2026年時点で、法人向けにデモンストレーションや導入協議が進められている代表例は以下の3つです。
Machine-Constructed Markets:AI時代の市場を観測


経営企画、新規事業、ブランド、M&Aなどの領域を対象としたMarket Intelligenceです。生成AIが企業、製品、技術、競合、市場をどのように関連づけているかを継続的に観測します。OpenAI、Claude、Geminiなど複数のIntelligenceを比較し、既知市場、AI関連市場、新興市場、認識ギャップ、Intelligenceごとの構成差などを分析します。これは検索順位を測るSEOツールではなく、企業ポジショニング、競合分析、新規事業、ブランド戦略などの判断材料作成を目指すものです。観測結果は、各AIが特定時点で市場をどのように構成したかの記録として扱われるとしています。
SIGNAL TO PROPOSAL:市場の断片を提案へ変換
営業、マーケティング、事業開発の分野で、市場の断片を「Signal → Structure → Meaning → Opportunity → Proposal」という5段階で変換します。市場全体の解説に留まらず、特定企業にとっての次のアクションまでを一貫して扱うことが特徴です。製造、IT、BtoB SaaS、認証・監査、セキュリティサービスなどへの適用が想定されており、法人向け実証では、顧客の関心テーマや企業情報から個別の提案を生成する仕組みも開発中とされています。
Entangled Society:介入の帰結をシミュレート


経営、行政、製造、IT、組織変革などの領域で、一つの介入が別の場所、人、時間へどのような帰結をもたらすかを考えるConsequence Simulatorです。AI導入、新規事業、行政施策、M&A、事業撤退、組織再編などの判断において、直接的なROI(投資対効果)だけでなく、二次・三次的な影響を探索するための思考基盤として活用されます。未来を断定する予測装置ではなく、企業固有のステークホルダー、規制、業務データ、判断基準を組み込むことでPrivate実装が可能とされています。
Observatory Network:事業生成の知識基盤
Kosuke Protocolへ継続的に断片を供給するのが、SHIRO & Co.のObservatory Networkです。観測対象は市場、社会、仕事、教育、身体、親密性、記憶、文化、信頼、詐欺、AI、サイバーセキュリティ、気候など多岐にわたります。目的はテーマごとの記事サイトを増やすことではなく、異なる観測領域の構造を接続し、新しい問いや事業機会を発見することにあります。
Climate Observatory:気候変動を「使える時間」の問題として観測



気候変動を、単なる環境問題としてだけでなく、「どの場所で、何時に、人間が働けるのか」という労働時間の問題として捉え、建設、公共工事、物流、農業などの作業時間帯、工期、労働コスト、自動化、都市インフラ設計への影響を観測しています。環境問題として観測された断片が、労働問題、時間設計、インフラ問題、そして最終的に新しい市場や事業機会へ接続される例としています。
サイバーと物理世界の境界を観測するThreat Constellation



サイバーセキュリティ領域の実装として「Threat Constellation」も開発されています。「Exposure → Signal → Pattern → Incident」という関係から、セキュリティ事象を孤立したインシデントではなく、環境が変化していく過程として観測します。特にPLC、HMI、SCADA、産業用ゲートウェイ、IIoT機器など、デジタルなアクセスが物理世界へ接続するOT(Operational Technology)/ICS(Industrial Control Systems)領域を対象としており、製造、エネルギー、水道、物流、医療、ビル設備など、Physical AI時代の重要インフラにおける観測への応用が想定されています。
個人の人生や物語にも及ぶProtocolの可能性
Kosuke Protocolから生まれるものは、法人向けシステムだけではありません。同社は、個人がプロトコルの考え方を体験できる実装も開発しています。人生の分岐を読み直す「Parallel」、子どもの将来を一つに早く決めない「NOT YET」、発言や交流を参加条件にしないコミュニティ「Presence」などが例として挙げられています。
「LIFE」: https://book.shiroand.io/life
AIが合理的に機能する社会の中に残る人間側の割り切れなさを伝えるナラティブコンテンツ「LIFE」も、同じ観測基盤から生まれていると説明されています。これらは法人向け販売の中心ではないものの、Kosuke Protocolが企業向けソフトウェアだけでなく、エクスペリエンス、コミュニティ、教育、出版、フィクション等にも展開される可能性を示すものとされています。
複数産業を横断した実務知の集約
「Kosuke Protocol」の起点には、代表の白子考介氏が通信、放送、半導体、産業ソフトウェア、IoT、SaaS、金融データ、認証・リスクなど、10社を超える企業・事業領域で20年以上にわたりBtoBマーケティングと事業開発に携わってきた経験があるとしています。異なる産業、技術、市場、人間の間を横断して関係を読む行為を、個人の経験に留めず、観測手順、分類体系、接続ルール、評価基準、データ構造、プロンプト、ソフトウェアへ変換し、組織が利用できる知的基盤へと変える試みであると説明されています。
グローバル展開を視野に
SHIRO & Co.は、日本市場だけを対象とせず、構想段階から海外企業、研究機関、教育機関、行政・公共領域、出版社、クリエイターなどとの利用・共同開発を前提に設計を進めているとしています。「Fragment → Observation → Connection → Meaning → Form」という構造自体は、地域固有の文脈を組み込むことで他地域にも応用できるという考えに基づき、今後は英語圏を中心に、多言語化、地域別Observatory、海外企業向けPrivate Protocol、国際共同研究、出版、事業開発へ展開する予定です。
SHIRO & Co. Journalの開設
同社は、Observatory Networkで生まれた観測、Kosuke Protocolによる意味形成、新しい事業仮説、Prototype、Essay、Fictionなどを継続的に届ける独立刊行物「SHIRO & Co. Journal」を開設します。これは一般的なニュース要約を目的とする媒体ではなく、信号が現れる過程や、異なる事象のつながり、社会や企業にとっての意味、事業機会への変換過程を扱うものとされています。
SHIRO & Co. Journal:
https://journal.shiroand.io
SHIRO & Co.について
株式会社SHIRO & Co.は、まだ名前のない社会変化を観測し、意思決定と事業のプロトコルへ変えるObservation & Protocol Studioです。東京都を拠点に活動しています。
お問い合わせはこちら: https://www.shiroand.io
ソース元:
SHIRO & Co.、社会変化を新規事業へ変換する「Kosuke Protocol」を事業化
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000179378.html
