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東大定量研、ロンドンでPC盗難、速やかに遠隔消去 不正利用確認されず


東京大学定量生命科学研究所は12月19日、同研究所の教員が海外出張中に携行していた業務用ノートパソコンが盗難被害に遭ったと発表した。盗難は9月6日にロンドンで発生し、端末には学生1323名分の個人情報が保存されていた。同研究所は盗難後、速やかに遠隔でデータを消去しており、現時点で情報が第三者に閲覧されたり不正利用されたりした事実は確認されていないという。

キングス・クロス駅前で鞄ごと盗難

同研究所によると、盗難が発生したのは2025年9月6日午後9時頃(現地時間)。場所はイギリス・ロンドンのキングス・クロス駅前で、当該教員が鞄を盗まれた。鞄の中には業務用ノートパソコンが入っており、盗難被害に遭った。

当該端末には学生1323名分の個人情報が保存されていた。内容は氏名、学年、学籍番号及び授業成績。さらに、同大学のコーポレートカード情報1件も保存されていた。

速やかに遠隔消去、不正利用の事実なし

盗難被害後、教員は現地警察へ被害届を提出した。重要なのは、当該端末にはパスワードによるロックがかかっていたこと、そして速やかに遠隔でデータを消去したことだ。

同研究所は、これらの対策により現時点で情報が第三者に閲覧されたり不正利用されたりした事実は確認されていないとしている。端末のセキュリティ機能と迅速な対応が、情報流出の防止につながった形だ。

同研究所は関係者に対し、心配をかけたとして謝罪している。該当する可能性のある学生には現時点で個別の対応を求める状況にはないが、不審な連絡やメールを受け取った場合は連絡するよう呼び掛けている。

クラウド保存を徹底へ

同研究所は再発防止策として、海外渡航時のリスクについて注意喚起を行うとともに、個人情報など重要データのクラウド保存の徹底及び端末内保存の最小化を進めるとしている。個人情報の適切な取り扱いを徹底し、再発防止に努めるとしている。

定量研は生命科学の研究拠点

東京大学定量生命科学研究所は、2018年4月に分子細胞生物学研究所を改組して設置された附置研究所。生命動態の定量的な記述を追究することを目的とし、構造生物学、ゲノム科学、生命情報学を中心に研究を進めている。所長は白髭克彦氏。

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著者紹介:CCSIセキュリティメディア編集部

CCSIセキュリティメディア編集部 サイバーセキュリティメディア、CCSI編集部です。



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