企業動向

日本のセキュリティ市場、2034年に82億ドル規模へ拡大予測 サイバー脅威増加と規制強化が成長牽引


株式会社マーケットリサーチセンターは、日本のセキュリティ市場が2025年の約40億米ドルから2034年には約82億米ドルに成長し、年間平均成長率(CAGR)約8.02%を記録するとの調査レポートを発表しました。サイバー脅威の増加や政府規制の強化が市場拡大の主要因とされています。

市場成長の背景にサイバー脅威と政府規制

市場の成長は、主にサイバー脅威の増加、厳格な政府規制、および様々な産業におけるデジタルトランスフォーメーションの進展によって牽引されています。データ保護意識の拡大や技術進歩、サイバーセキュリティインフラへの投資増加も、国内市場の成長に貢献していると見られています。

サイバー脅威の巧妙化と頻度の増加は、市場成長の大きな要因です。企業や政府機関がデジタルインフラへの依存度を高めるにつれて、フィッシング、データ侵害、ランサムウェアといったサイバー攻撃に対する脆弱性が増しています。2024年の業界レポートでは、日本の組織が毎週平均約1,003件のサイバー攻撃を受けていると報告されています。東京大学、カシオ、日産、JAXAへの攻撃事例も挙げられています。

また、日本政府による国家のサイバーセキュリティ強化を目的とした厳格な規制と政策も市場を推進しています。重要インフラと機密データを保護するための包括的な枠組みと基準が導入され、法令順守が義務付けられています。例えば、2024年4月には、国際労働機関(ILO)、DICT、日本がパンパンガに初のデジタルトランスフォーメーションセンターを開設し、中小零細企業のデジタル化を促進しています。スマートシティ構想への投資拡大やリモートワーク文化の台頭も、統合されスケーラブルなセキュリティへのニーズを高めています。

AI・機械学習の統合とクラウドセキュリティの拡大

日本のセキュリティ市場のトレンドとしては、人工知能(AI)と機械学習の統合が注目されています。これらの技術は、リアルタイムで大規模データを分析し、異常なネットワーク活動や疑わしいユーザー行動といった潜在的なサイバー脅威を示すパターンや異常を特定します。AI駆動の自動化はインシデント対応を加速させ、攻撃による潜在的な損害を最小限に抑える効果が期待されます。2024年11月には、Kyndrylが日本でDellのAI FactoryとNVIDIAを搭載した専用AIプライベートクラウドを立ち上げ、企業や学術機関のAIイノベーションを促進しています。

また、日本の企業がクラウドセクターへ移行するにつれて、データとアプリケーションを保護するためのクラウドベースのセキュリティソリューションの統合が進んでおり、クラウドセキュリティの拡大が顕著です。2024年11月には、クラウドネイティブアプリケーション保護の企業であるWizがソフトバンク・ビジョン・ファンド2から戦略的資金調達を受け、アジア太平洋地域でのプレゼンス強化を目指しています。

サイバー脅威の激化は引き続き市場を牽引しており、ランサムウェア、フィッシング、高度な持続的脅威(APT)といった巧妙な攻撃が日本企業や政府機関を標的としています。デジタルインフラとIoTへの依存度が高まることで潜在的な脆弱性が拡大し、システムが侵害を受けやすくなっています。2024年10月には、日本の自民党が総選挙運動中にサイバー攻撃を受けたと報じられています。

市場を構成する主要セグメント

市場はシステム、サービス、エンドユーザー、地域に基づいて分類されています。

システム別では、アクセス制御システム、警報・通知システム、侵入検知システム、ビデオ監視システム、バリアシステムなどが含まれます。これらは物理的・デジタル資産の保護、迅速な警報、不正アクセスへの対応、継続的な監視、物理的障壁としての役割を果たす上で不可欠です。AIやIoTとの統合により、これらのシステムの有効性は大幅に向上しています。

サービス別では、システム統合・コンサルティング、リスク評価・分析、マネージドサービス、メンテナンス・サポートが含まれます。これらは顧客のニーズに合わせたセキュリティソリューションの構築、潜在的な脆弱性の特定、継続的なセキュリティ管理、システムの信頼性維持に不可欠です。

エンドユーザー別では、政府機関、軍事・防衛、交通、商業、産業などが主要なセクターです。それぞれ国家インフラの保護、機密情報の防衛、乗客・貨物の安全確保、資産・従業員・顧客の保護、重要インフラ・知的財産の保護といった固有のセキュリティ要件を抱えています。

地域別では、関東、近畿、中部、九州・沖縄、東北、中国、北海道、四国が含まれます。各地域はその経済的特性、人口密度、重要インフラ、観光業などに応じて、異なる種類のセキュリティソリューションを必要としています。特に東京を含む関東地域は、主要な金融機関、企業本社、政府機関が集積しているため、高度なセキュリティシステムへの需要が高いとされています。

競争環境と今後の展望

日本のセキュリティ市場は、グローバルおよびローカルベンダーが提供製品を革新し差別化しようと競争する、非常に競争の激しい市場です。統合セキュリティプラットフォームへの需要が高まっており、AI、IoT、クラウドベースソリューションにおける企業のイノベーションを推進しています。市場範囲と技術的能力を拡大するための戦略的パートナーシップ、コラボレーション、M&Aが一般的です。例えば、2024年6月には、シスコが東京にサイバーセキュリティCoE(Center of Excellence)を設立し、日本のデジタルレジリエンス強化を目指すと発表しています。

生体認証システムと統合セキュリティプラットフォームの開発に重点が置かれ、競争優位性を生み出しています。スマートシティ構想やサイバーセキュリティへの投資増加が機会となる一方で、規制変更や高い研究開発費が潜在的なリスクとなるでしょう。

最新のニュースとしては、2024年11月にDerSecurと東洋が日本でDerScannerアプリケーションセキュリティソリューションを立ち上げるための戦略的パートナーシップを発表したこと、また2024年5月には、日本政府がサイバー攻撃に対する重要インフラ保護を強化するため、積極的サイバー防御システムを導入する協議機関の設立計画を発表したことが挙げられます。

ソース元

ページタイトル:セキュリティの日本市場(2026年~2034年)、市場規模(アクセス制御システム、警報および通知システム、侵入検知システム)・分析レポートを発表
URL:https://www.atpress.ne.jp/news/388916

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