「東京2020オリンピックはキャンセルされる可能性があります。」というメールがフィッシング詐欺か検証する
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「東京2020オリンピックはキャンセルされる可能性があります。」というメールがフィッシング詐欺か検証します。
東京2020オリンピックの延期に伴い、巨額の資金負担が出ているので寄付して欲しいといった内容のメールです。
文面は以下の通りです。
新型コロナウイルスによって、東京2020オリンピックは2021年に延期されました。
私たちは海外機構で予約したチケット、ホテル、航空券、材料などの巨額の損害賠償を負担せざるを得ません。
国は資金を集めて海外機関の賠償に対応しています。もし賠償ができなければ、日本国民の国際イメージがひどく損なわれてしまい、国際社会から唾棄して、東京2020オリンピックはキャンセルされます。このため、国家オリンピック委員会は今回の寄付活動を開催して、日本国民に東京オリンピックのために賠償するように呼びかけました。
今はすでに100000国民が行動しています。
入金側は国際オリンピック委員会の口座です。私達は貴方がデジタルマネーを買って寄付するように呼びかけます。
BTC募金の住所:32YstTLeXJgT6QwHw9ZWfEvcfQLDsvjbXz
USDT(omni)募金の住所: 32YstTLeXJgT6QwHw9ZWfEvcfQLDsvjbXz
ETH募金の住所:0x74567703d18f1E5c2f0825dd4c0Db6AB2b2788e4
USDT(erc20)募金の住所:0x74567703d18f1E5c2f0825dd4c0Db6AB2b2788e4
寄付すれば東京オリンピックのチケットを3割引で買う資格があります。
寄付後は個人情報をメールボックス japan_olympics_2021@yahoo.co.jp に送って登録してください。
まず送信元を調べてみます。
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From: "japan_olympics@yahoo.co.jp" <japan_olympics@yahoo.co.jp> Return-Path: <lhd@iwgqntm.hk> |
送信者名と送信元メールアドレスは、japan_olympics@yahoo.co.jpと共通になっています。
Yahooのフリーメールのアドレスが表示されていることになります。
しかし、Return-Pathを見るとlhd@iwgqntm.hkと香港のドメインが見て取れます。
このドメインのWhois情報は存在しないようなので、これも偽装のようです。
メール本文中ではjapan_olympics_2021@yahoo.co.jp とまたYahooのフリーメールになっています。
次に送信元サーバーを調べてみます。
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Received: from iwgqntm.hk (v118-27-80-120.d1xu.static.cnode.io. [118.27.80.120]) |
このIPアドレスを調べてみると、
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 |
inetnum: 118.27.0.0 - 118.27.127.255 netname: interQ descr: GMO Internet, Inc. descr: CERULEAN TOWER,26-1 Sakuragaoka-cho,Shibuya-ku,Tokyo 150-8512,Japan admin-c: JNIC1-AP tech-c: JNIC1-AP remarks: Email address for spam or abuse complaints : abuse@gmo.jp country: JP → (日本) mnt-by: MAINT-JPNIC mnt-lower: MAINT-JPNIC mnt-irt: IRT-JPNIC-JP status: ALLOCATED PORTABLE last-modified: 2018-08-03T01:51:35Z source: APNIC |
日本のGMOインターネットに割り当てられたIPアドレスでした。
このIPでは稼働しているドメインはありませんでした。
指定されているビットコインアドレス、32YstTLeXJgT6QwHw9ZWfEvcfQLDsvjbXzを確認したところ、現在のところ送金者はいないようです。
東京オリンピックに便乗した詐欺ですから、決して送金しないようにしてください。
寄付すれば東京オリンピックのチケットを3割引で買う資格があります、とありますが、こうしたことはありません。
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カテゴリ:フィッシング
タグ:2020,スパムメール,フィッシング詐欺,東京オリンピック