スカパーJSATの番組配信サーバに不正アクセス サービス影響なし
衛星放送大手のスカパーJSAT株式会社(東京都港区)は24日、同社が運営する番組配信サービスのブラウザ視聴サイト用Webサーバが第三者による不正アクセスを受けたと発表した。12月17日に侵入を確認し、環境の再構築やソフトウェア更新などの対応を完了した。現時点でサービスへの影響は出ていないという。
番組配信サーバへの不正アクセスについて|スカパーJSATより引用
発見から1週間で対応完了
同社は不正アクセスを確認後、速やかに必要な対策を実施した。具体的には、侵害を受けたWebサーバの環境を再構築し、ソフトウェアを最新版に更新するなどの措置を講じた。これらの対応により、攻撃者による更なる侵入経路は遮断されたとみられる。
同社は関係省庁および関係機関に対して状況を報告済みだ。外部専門機関によるフォレンジック調査などの追加調査は現在も継続中で、新たな事実が判明した場合は改めて公表するとしている。
顧客情報への影響は調査中
今回の不正アクセスで、どのような情報が攻撃者によって閲覧または窃取された可能性があるかは、現時点では明らかになっていない。同社は「サービスへの影響はない」としているが、個人情報の流出の有無については調査が続いている段階だ。
番組配信サービスのWebサーバには、通常、ユーザーのアカウント情報や視聴履歴、決済情報などが保存されている可能性がある。フォレンジック調査の結果次第では、影響範囲の詳細が今後明らかになる見込みだ。
放送インフラへの攻撃、警戒強まる
スカパーJSATは、CS放送「スカパー!」や動画配信サービス「SPOOX」などを運営する国内最大手の衛星放送事業者だ。通信衛星を複数機運用し、放送だけでなく企業向けの通信サービスも提供している。
放送や通信といった社会インフラを担う企業へのサイバー攻撃は、近年増加傾向にある。2023年7月には同社の社内サーバが不正アクセスを受け、取引先や従業員など約1450人の個人情報が流出した可能性がある事案も発生している。
同社は発表の中で「不正アクセスに対する情報セキュリティ対策のさらなる強化に努める」としており、今回の事案を受けて、セキュリティ体制の見直しを進めるものとみられる。
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カテゴリ:セキュリティニュース
タグ:スカパーJSAT,不正アクセス

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