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STマイクロエレクトロニクス、エントリレベル・マイコン「STM32C5」を発表 スマート機器の性能向上とセキュリティ強化へ


STマイクロエレクトロニクスは、工場、家庭、スマート・シティ、インフラなどで使用される小型スマート機器向けに、次世代エントリレベル・マイクロコントローラ「STM32C5」を発表しました。同製品は、Cortex-M33と40nmプロセスを採用し、高速処理と大容量Flashメモリを両立させ、性能とコスト効率の向上を図ります。

高速処理とセキュリティを両立

STM32C5シリーズは、Arm Cortex-M33プロセッサとST独自の40nm製造プロセスを採用しています。これにより、現在普及しているエントリレベルのチップと比較して高速な処理が可能となり、低消費電力での動作を実現しています。スマート・サーモスタット、電子式ドアロック、産業用スマート・センサ、ロボットのアクチュエータ、ウェアラブル機器、コンピュータ周辺機器といったコンスーマ機器および業務用機器への最適化が図られています。

同社のグループ・バイスプレジデント 兼 汎用・車載用マイクロコントローラ事業部ジェネラル・マネージャーであるPatrick Aidoune氏は、「STM32C5は、価格競争力に優れたマイコンの精度、速度、信頼性を高め、新たな可能性を切り開く」とコメントしています。同製品は、20年間培われたSTM32の技術を基盤とし、拡張性とセキュリティに優れた幅広い製品ポートフォリオの一部を構成するものです。

セキュリティ機能も強化されており、改ざんやサイバー・リスクから製品を保護する機能を内蔵しています。これは、コネクテッド機器の安全性向上に貢献するといいます。具体的には、SESIP3およびPSAレベル3のセキュリティ認証をターゲットとし、メモリ保護、改ざん保護、暗号化エンジン、セキュア・ブート、ファームウェア更新を保護するHDP(時間的分離)などを備えています。さらに、一部製品ではHUK(ハードウェア・ユニーク・キー)対応やセキュアなキー・ストレージ、サイド・チャネル攻撃に対する保護機能付きのハードウェア暗号化アクセラレータが追加されています。

産業用途にも対応する堅牢性

STM32C5は、要求の厳しい産業機器の環境にも対応するよう設計されています。-40°Cから+125°Cの広い周囲温度範囲と、最大140°Cの接合部温度に対応し、最大動作温度においても最大定格の周波数で動作します。IEC 61508 SIL-2やIEC 60335-1/60730-1クラスBといった産業用安全性規格にも準拠しており、これは必須のハードウェア機能とソフトウェア機能の統合によって実現されています。

同製品は、最小128KBから最大1MBのFlashメモリを内蔵しており、大容量のコードおよびデータ用ストレージを利用できるため、高度な新機能の実装を可能にします。1万個購入時の参考価格は約0.64ドルとされています。

開発エコシステムの強化

STM32C5は、アップグレードされた開発環境「STM32Cube」に対応しています。これには、コードサイズが最適化された量産グレード対応のソフトウェア・ドライバ、優れたコード生成機能、開発ツール、幅広いソフトウェア・サンプル・ライブラリが含まれています。

SITグループの暖房・換気部門 エレクトロニクス・ビジネスライン ディレクターであるDennis Agnello氏は、次世代のバーナー統合制御プラットフォームにおいてSTM32C5を選択した理由として、その強力で予測可能なリアルタイム性能とコンパクトなフットプリントを挙げています。これにより、燃焼制御、炎検知、安全インターロックを高精度で扱えるとしています。

Circontrol社(Circutorグループ)の研究開発ディレクターであるEnrique Osorio氏は、STM32C5の性能と機能セットを活用し、低コストの次世代ACチャージャを開発したと述べています。同氏は、スマートメータやEV充電ソリューションに求められる最新のセキュリティ、暗号化、インタフェースの要件を完全に満たしていると評価しています。

開発エコシステムは、STM32CubeMXの新バージョン「STM32CubeMX2」や、コードサイズが最適化されたハードウェア抽象化レイヤ(HAL2)を適用した「STM32CubeC5」組み込みソフトウェアなどによって強化されています。RTONE社の組み込みソフトウェア・エキスパートであるAlex Fabre氏は、STM32 HAL2が開発期間の短縮と効率化に貢献すると評価しています。

提供される開発ツールには、試作開発期間を短縮するSTM32C5ハードウェア評価ツール、サンプル・コード・ライブラリ、無償の統合開発環境(STM32CubeIDEおよびSTM32CubeIDE for VSCODE)、一般的なミドルウェアに最適化されたSTM32Cube開発エコシステムが含まれます。

STM32C5は量産が開始されており、UFQFPN20パッケージ(3 x 3mm)やLQFP144パッケージ(20 x 20mm)などで提供されます。システム開発をサポートするSTM32 Nucleo評価ボードと、Riverdi社のディスプレイ拡張ボードも用意されており、TouchGFX開発ソフトウェアが付属しています。

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