三井住友カード【重要】というメールがフィッシング詐欺か調査する
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三井住友カード【重要】というメールがフィッシング詐欺か調査してみます。
ご利用中の三井住友カードアカウントへのログインが確認されました、といった内容です。
メール本文は以下の通り。
example@example.com 様
ご利用中の三井住友カードアカウントへのログインが確認されました。
◆ログイン情報
・ログイン日時 :10/3/2020 5:00:36 AM
・IPアドレス :113.52.120.61
VpassIDおよびパスワードを他のサイトと併用している場合には、漏えいした情報
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※本メールはご登録いただいたメールアドレス宛に自動的に送信されています。
※本メールは送信専用です。ご返信いただきましてもお答えできませんのでご了承ください。
三井住友カード株式会社
東京本社 東京都港区海岸1-2-20 汐留ビルディング
大阪本社 大阪市中央区今橋4-5-15
いつも三井住友銀行をご利用いただきありがとうございます
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まずは送信元を調べてみます。
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From: "Smbc-card.jp" <User-safety@vpass.ne.jp> Return-Path: <User-safety@vpass.ne.jp> |
送信者名はSmbc-card.jpとなっており、送信元メールアドレスとReturn-Pathはともに User-safety@vpass.ne.jp となっています。
念のため、送信元サーバーも調べてみます。
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Received: from vpass.ne.jp (unknown [173.82.22.87]) |
173.82.22.87というIPアドレスが出てきました。
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OrgName: MULTACOM CORPORATION OrgId: MULTA Address: 16654 Soledad Canyon Rd #150 City: Canyon Country StateProv: CA PostalCode: 91387 Country: US → (アメリカ合衆国) RegDate: 2005-03-23 Updated: 2017-01-28 Ref: https://rdap.arin.net/registry/entity/MULTA |
MULTACOM CORPORATIONはカリフォルニア州ロスアンゼルスのISPです。
このMULTACOM CORPORATIONのネットワークを悪用したフィッシング詐欺メールは頻繁に見かけるものですし、もちろん三井住友カードとは関係がありません。
メール本文中にあるリンクの誘導先もチェックしてみます。
ソース子度をデコードしてみると、
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<a href="http://r6a.cn/kpry">→VpassID情報照会・変更</a> |
となっており、cnドメイン、つまり中国ドメインの短縮URLが用いられているのが分かります。
この短縮URLは、https://smbc-card.ppgxhbg[.]cn/ へと遷移しますがやはりcnドメイン、中国ドメインです。
ppgxhbg[.]cnのサブドメインですから、このドメインのwhois情報を調べてみると、
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Domain Name: ppgxhbg.cn ROID: 20200101s10001s21574229-cn Domain Status: ok Registrant: 王帅国 Registrant Contact Email: rxbnn3@163.com Sponsoring Registrar: 阿里巴巴云计算(北京)有限公司 Name Server: dns11.hichina.com Name Server: dns12.hichina.com Registration Time: 2020-01-01 00:32:20 Expiration Time: 2021-01-01 00:32:20 DNSSEC: unsigned |
やはり中国で登録されています。
IPアドレスは182.16.10.114ですが、これは香港のIPアドレスでした。
安全を担保したうえでこのURLにアクセスしてみます。
すると、
このように偽の三井住友カードVpassログイン画面が稼働しています。
その先にはクレジットカード情報の窃取画面があります。
三井住友カード【重要】というメールはフィッシング詐欺
三井住友カード【重要】というメールはフィッシング詐欺です。
このメールは三井住友カードから送信されたように装ってはいますが、米国内の三井住友カードとは全く関係のないサーバーから配信されています。
またリンクの誘導先は香港のサーバーであり、中国ドメインの元、偽の三井住友カードVpassログイン画面が稼働しています。
くれぐれもアカウント情報やクレジットカード情報など、個人情報を入力しないよう気を付けてください。
2022.09.30 →【重要】三井住友カードサービスの緊急連絡、情報を確認してください。というメールがフィッシング詐欺か検証する
2021.05.10 →【三井住友カード】ご利用のANA VISA プリペイドカードが一時的に利用停止されましたというメールを分析する
2020.10.14 →至急、S M B Cカード会員サービスに修正情報を再登録してくださいというメールがフィッシング詐欺か検証する
2020.10.08 →【三井住友カード】お届け情報変更受付のお知らせというメールがフィッシング詐欺か検証する
2020.10.03 →三井住友カード【重要】というメールがフィッシング詐欺か調査する
2020.07.14 →【重要:必ずお読みください】三井住友VISAカード「Vpass」のログイン確認 2020/7/125:41:45というメールがフィッシング詐欺か検証する
2020.05.07 →「【重要】お客様の【三井住友銀行カード】が第三者に利用される恐れがあります。」というメールがフィッシング詐欺か検証する
2020.04.15 →「Your card has been suspended !」というsuspended@smbc.co.jpからのメールがフィッシング詐欺か分析する
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2020.03.03 →【第二弾】三井住友カード株式会社から緊急のご連絡、文面違いのメールを調べてみる
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カテゴリ:フィッシング
タグ:SMBC,Vpass,スパムメール,フィッシング詐欺,三井住友カード,三井住友銀行